同和団体

同和団体とは

同和団体は、日本における部落問題に関連する参加者や活動者のための団体であり、これらはしばしば利益団体としても機能します。この種の団体は、日本全国における多様な部落問題の解決を目指しており、多くの異なるグループが存在します。

全国を対象とする主要な同和団体

大きく分けると、日本には異なる政治的立場を背景に持つ4つの全国的な同和団体があります。それぞれの団体は、独自の運動方針と目標を掲げており、その中には以下の団体が含まれています。

1. 自由同和会 - 自民党系の団体で、1986年に発足しました。独自の運動方針を持ち、人権擁護法案を推進しています。

2. 全国地域人権運動総連合（全国人権連） - 日本共産党系の団体で、部落差別を助長するものとして糾弾活動を行っています。

3. 部落解放同盟 - 社会党や民主党系の組織で、幅広い政党とつながりを持っており、部落差別の解消に向けた活動を行っています。

4. 全日本同和会 - 自民党系だったこの団体は、解放同盟から分派し、現在も活動を続けています。

公認交渉団体の多様性

日本政府が公式に認め、交渉対象団体とする同和団体には、自由同和会、全国地域人権運動総連合、部落解放同盟の3つがあります。しかし、過去には全日本同和会も交渉対象として公認されていましたが、いくつかの不祥事により排除されました。こうした事情から、各都道府県によって公認の団体に違いが生じています。例えば、神奈川県では全日本同和会が交渉団体として認められています。

社会的な活動と内部事情

部落解放運動においては、「六千部落、三百万人の兄弟姉妹」といった言葉が広く知られています。この言葉に基づくと、主要な4団体に所属する部落出身者は実際には全体の4分の1にも満たないという現実があります。理論上これらの団体のメンバーは部落出身者に限定されていますが、実際には外部からのメンバーも入り込んでおり、地区のリーダーに就任することもあるとのことです。

各団体の概略

自由同和会

自由同和会は、暴力団との関係が問題視されていた全日本同和会から分派した組織で、現在、約9万8000人の会員を持ち、研究部門として地域改善対策研究所を持つなど活動が広がっています。機関紙は『ヒューマンジャーナル』です。

全国地域人権運動総連合

全国人権連は、過去に部落解放同盟から追放され、現在の名称に改組されました。被差別部落への恐怖感や憎悪の助長を批判し、国民融合論を支持しています。

部落解放同盟

部落解放同盟は、数十年の歴史を持つ組織で人権擁護法案の成立に向けて幅広い政党と連携しています。近年は会員数が減少し、組織の高齢化が進んでいます。

全日本同和会

全日本同和会は1960年に設立され、その後各地方での対応を行ってきましたが、不祥事により自民党との連携を失いました。

その他の団体とその背景

ここで紹介した以外にも、多くの地方で活動している同和団体があり、それぞれ特有のニーズに応じた活動を展開しています。特に地域によっては、リーダーシップをとるメンバーが部落出身者ではない場合もあります。

結論

同和団体は、日本社会における部落問題への解決を目指す重要な組織ですが、その内部には多くの課題と複雑な事情が存在しています。各団体が持つ運動方針や社会的な役割について理解を深めることが、部落問題の解決に向けた第一歩となります。

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