同盟 (イタリア)

同盟 (Lega) の概要

同盟（イタリア語：Lega）は、イタリアにおける主要な政治組織で、かつては北部同盟（Lega Nord）と呼ばれていました。党の創設は1989年にさかのぼり、初めはイタリア北部の地域政党として立ち上がりました。主にその要望は、経済的に優位な北部の自治拡大を求めるものでした。現在、書記長はマッテオ・サルヴィーニが務めています。

概要

同盟は、文化的な保守主義、反共主義、反移民の姿勢を持つことで知られ、最初は地域主義的な主張に基づいていましたが、徐々にその立場を変化させ、現在では広範囲な保守派として位置付けられるようになりました。特に近年では、南部経済への批判や外国人移民に対する排外的な姿勢、そして欧州連合（EU）への懐疑的な立場が目立ちます。2018年には、党名から「北部」の名称を外し「同盟」と改称しました。

経済的背景と党史

イタリアの経済は、南北間での格差が長年にわたり問題視されてきました。特に北部は工業地帯として経済的には恵まれている一方、南部は主に農業中心の経済構造のままであり、この不均衡が同盟の支持基盤を形成する一因となりました。政府の多くの開発計画が南部の工業化に向けられるも、期待されたような成果は出ず、マフィアなどの問題も影をさしました。

1987年、ウンベルト・ボッシ氏が主導となり、北部を基盤とした連合体が形成され、この流れから1991年に北部同盟が誕生しました。党の立ち上げ段階では地方分権を中心に据えたが、次第に右派連合に参加し、政権内でも重要な式典を任されることになります。

しかし、党内の方針や理念が非一貫的であり、特に1994年から1998年の間には、パダーニアという北部独立を叫ぶ運動が加速しましたが、最終的にはこれを撤回しました。ボッシ氏のリーダーシップのもとでも、党内対立や資金の不正使用問題が続いており、彼は2012年に実質的に失脚。翌年にロベルト・マローニが新たな党首に選ばれ、反EUの路線を強化していきました。

サルヴィーニ体制の確立

2013年にマッテオ・サルヴィーニが党の指導者となり、彼はEU懐疑派としての姿勢を一層明確にしました。特に、ユーロ制に対する強烈な批判や、移民問題への強硬な態度が特徴であり、これにより党の人気が高まりました。サルヴィーニは、「ユーロは犯罪」と表現するなど過激な言動を繰り返し、同時に親ブレグジット的な立場をとりました。

サルヴィーニは徐々に党の名称から「北部」の文字を外し、国民政党としての意識を強化しました。2018年の選挙では「プリマ・リ・イタリアーニ」（イタリア人第一）というスローガンを掲げ、右派層からの支持を集めました。これにより下院では126議席を獲得し、第3党に躍進しました。

現状と政策

同盟は現在も反移民や反EUの立場を堅持し、特にサルヴィーニのリーダーシップの下で強固な影響力を持っています。移民に対する厳格な制限や、ヨーロッパにおけるクリスチャン文化の優位性を訴える姿勢が強化されています。また、近年の総選挙では、右派連合の中心として福祉政策や治安の強化を志向しつつ、国民からの支持を広げている状況です。

現在、同盟は極右的な基盤のもとで新たな試みを続けており、その動向は国内外で注目されています。サルヴィーニが導く国民政党としての発展を遂げ続ける同盟は、今後のイタリア政治にどう関与していくのか、更なる関心が寄せられています。

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