名古屋でら馬スプリント

名古屋でら馬スプリント：地方競馬を彩った短距離の激闘

名古屋でら馬スプリントは、愛知県競馬組合が名古屋競馬場のダート800メートルで開催していた地方競馬の重賞競走です。正式名称は「日刊スポーツ賞 名古屋でら馬スプリント」。競走名の「でら」は、名古屋弁で「とても」「すごく」を意味する言葉で、競走の熱気を表現しています。

このレースは、地方競馬スーパースプリントシリーズという、全国各地の地方競馬場で開催される短距離重賞競走シリーズの一戦でした。シリーズの最終戦である「習志野きらっとスプリント」への優先出走権が優勝馬に与えられ、多くの有力馬が出走を競う重要なレースとなっていました。

800メートルの距離は、中央競馬を含む日本の平地重賞競走の中でも最短距離であり、スピードと瞬発力、そしてコース取りの戦略性が問われる、非常にスリリングなレース展開が特徴でした。そのため、観戦する側にとっても手に汗握る、見応えのあるレースとして人気を集めていました。

レース概要と条件

出走条件は、サラブレッド系3歳以上の東海・北陸所属馬に限定されていました。ただし、北陸（金沢）所属馬の出走枠は3頭以下に制限されていました。

負担重量は別定で、A級馬が57kg（牝馬56kg）、B級馬が55kg（牝馬54kg）と設定されていました。

賞金総額は、1着350万円、2着87万5000円、3着35万円、4着21万円、5着14万円と、上位入賞馬には高額な賞金が用意されていました。着外は3万5000円でした。

副賞として、日刊スポーツ新聞社賞、マコトスパルビエロ賞（同号種付権利）、愛知県競馬組合管理者賞、開催執務委員長賞などが贈られました。

歴史と廃止

名古屋でら馬スプリントは2011年に「スターキャット杯 名古屋でら馬スプリント」として創設されました。

特に2011年から2013年にかけては、笠松競馬場のラブミーチャンが3連覇を達成するなど、数々の名馬が名を刻みました。

しかし、2018年に金沢競馬場にスーパースプリントシリーズの東海・北陸地区トライアルとして「日本海スプリント」が新設されたことを受け、名古屋でら馬スプリントは2017年限りで廃止となりました。短距離戦の面白さと、地方競馬の競争激化という背景が重なり、その歴史に幕を閉じました。

思い出に残るレース

短い歴史でしたが、名古屋でら馬スプリントは、多くの名馬と、それを支えた関係者、そして熱狂的なファンによって彩られた、記憶に残るレースでした。そのスピード感あふれる競走は、地方競馬史にひとつの輝かしい足跡を残したと言えるでしょう。 廃止後も、このレースで繰り広げられた数々のドラマは、競馬ファンの間で語り継がれていることでしょう。

歴代優勝馬

（ここでは、スペースの関係上、歴代優勝馬のリストは省略させていただきます。地方競馬全国協会などのウェブサイトで詳細な記録を確認いただけます。）

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