名古屋市交通局1000形電車

名古屋市交通局1000形電車

名古屋市交通局の1000形電車は、1965年に運行を開始した名古屋市営地下鉄の通勤電車です。この車両は名城線と4号線（現在の名城線および名港線）で使用され、名古屋市交通局の「黄電（きいでん）」シリーズの最終形式として位置づけられています。1974年までに125両が製造され、このうち改良型や中間車両も含まれています。

1000形電車の特徴

1000形電車は名古屋市営地下鉄で唯一の普通鋼製車両であり、東山線200形を基に設計されています。車体は片側3扉の新しいデザインを採用しており、名古屋市営地下鉄で初めて両開き扉が導入されました。また、塗装は菜種色に薄紫色の帯が施されており、この帯は後に名城線のラインカラーとなりました。安全装置にはCS-ATCが採用され、運転台にはそれに対応する機器が設けられました。

車両の構造

この電車の原型は200形を基にしており、車体は普通鋼製で構成されています。扉と窓の配置はdD3D3D1の形式で、客室内は東山線の設計を踏襲しており、前面には方向幕表示器が備わっています。また、運転台には安全のための各種機器も配されています。踏み板には握り棒もつけられています。

主な機器

1000形電車の主電動機は日立製HS-830と三菱製MB-3092を採用し、駆動方式にはWNドライブが使用されています。出力は両タイプとも55 kWであり、さらには日車製NE-55を搭載した車両も存在しています。ブレーキシステムにはディスクブレーキを用い、名古屋市営地下鉄の標準であるSMEE電磁直通ブレーキが採用されています。

各形式の概要

1000形

1000形電車は、1965年から1967年にかけて合計22両が製造された制御電動車です。これには主に日立製作所や日本車輌製造が関与し、運転台の信号表示も1967年に一新されています。また、特定の車両においては座席がやや長い特徴が見られます。

1500形

1967年の栄駅 - 金山駅間の開業に伴い製造された中間電動車で構造は1000形に基づいています。

1100形・1600形・1700形

これらの形式は1000形を改良した車両であり、1971年以降に製造されています。特に、1600形は静止形インバータを搭載する中間車として重要です。

1200形・1800形・1900形

1974年に開業した4号線向けに設計されたこれらの車両は、補助機器が編成中に分散配置され固定編成仕様で製造されました。

改造と廃車

1971年以降、1600形の登場によりいくつかの1000形車両はMGを撤去し、改造が行われました。多くの車両は2000形の導入に伴い、1990年代までに次々と廃車となりました。

他事業者への譲渡

1997年から2002年にかけて、複数の車両が他の事業者に譲渡され、架線集電の改造がおこなわれました。この中には福井鉄道や高松琴平電気鉄道、国外のブエノスアイレス地下鉄などが含まれています。

その他の情報

市営交通資料センターにはこの電車の運転台が保存されており、訪問者は操作を体験することができます。

参考文献

日本の名古屋市営地下鉄に関する資料や文献は多くあり、特に鉄道研究部や大学の著作が参考になるでしょう。

このように、名古屋市交通局1000形電車はその技術革新と運営において名古屋の交通歴史に影響を与え続けています。

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