名古屋市交通局BLA形電車

名古屋市交通局BLA形電車の概要

名古屋市交通局が保有していたBLA形電車は、名古屋市電における歴史的な路面電車の一つです。この車両は、1927年から1928年にかけて、日本車輌製造と東洋車輌の二社によって、10両が製造されました。名古屋市電初の半鋼製低床ボギー車であり、後に1200形と改称されました。BLAという形式名は「Bogie Low-floor A type」の略で、当時としては革新的な設計を反映していました。

構造と技術

BLA形電車は、ドイツのAEG製電動機を採用し、先進的な大型車両として仕上げられました。製造当時、溶接技術が未発達であったため、車体は数多くのリベットで構成され、堅牢な印象を与えます。全長は12.5メートルで、車端部は曲線通過時の車体の張り出しを抑えるデザインで、前面は細身に見えます。側面では、3扉車のD5D5Dの配置となっており、両端扉は片開きの1枚扉で中央扉は両開きの2枚扉です。

運用の歴史

戦後のBLA形は港車庫に配置され、名古屋市南西部や都心部を走る系統で運用されましたが、大型の車体を生かして都心にも出入りしました。しかし、高性能車両が増える中で、1963年には2両が花電車に転用され、4両が廃車されました。残る2両はワンマン化改造を施され、下之一色線で最後の活躍をしましたが、1967年に全車が廃車となりました。

改造と譲渡

1963年には、老朽化した単車の代替として、BLA形の1201・1203の2両が花電車に改造されました。集電装置を取り付けるための櫓が設置され、後に1974年に廃車されました。また、同年には1207・1208の2両がワンマン化改造を受けたことで、専用の操作卓が設置され、前扉が乗車用、中扉が降車用に設定されました。

その後、1963年に廃車された1202・1204～1206の4両は豊橋鉄道に譲渡され、700形として再登場。3702（元1204）は比較的長く現役で残り、1994年に鉄道友の会のエバーグリーン賞を受賞しました。1996年には新造時の塗装に復元され、特別な団体臨時運転でも活躍しましたが、2007年3月に現役を引退しました。現在、この車両は豊橋市の児童研修施設で静態保存され、運転台の一部をシミュレーターとして改装されており、利用者は電車運転を疑似体験することができます。

車両諸元

• - 車長：12508mm
• - 車高：3497mm
• - 車幅：2206mm
• - 定員：80名
• - 自重：16.9t
• - 台車：ブリル39E2型の類似コピー
• - 電動機：50PS（36.8kW）×2

まとめ

名古屋市交通局BLA形電車は、その革新的な設計と製造技術により、名古屋市の交通史において重要な位置を占めています。時代を超えて多くの人に親しまれ、現在でもその伝統を引き継ぐ存在として語り継がれています。

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