名寄新聞

名寄新聞について

北海道北部の名寄市を中心に、下川町および美深町を主要な発行エリアとする地域紙が「名寄新聞」（なよろしんぶん）です。この新聞は完全日刊体制で発行されており、地域に根差した詳細な情報を提供することで、住民生活に深く関わっています。

名寄新聞の大きな特徴の一つは、本社屋内に印刷工場を併設し、自社で印刷を行っている点にあります。これにより、迅速かつ柔軟な紙面制作・発行体制を維持しています。紙面はB3判という、一般的な新聞とは異なるサイズを採用しています。

発行部数は公称12,600部とされており、対象エリアにおける普及率の高さを示唆しています。なお、日本の主要な新聞社が多く加盟する日本新聞協会には参加していません。

また、地域メディアとの連携も行っており、北海道テレビ放送（HTB）と提携関係を結んでいます。

題字には、一般的な「新」の文字とは異なり、横棒が一本多い旧字体（𣂺）を使用している点も、名寄新聞のユニークな特色として挙げられます。

本社および支局

名寄新聞社の本社は、北海道名寄市大通南2丁目に位置しています。また、主要な発行エリアの一つである下川町には支局を設置し、地域情報の収集・発信の拠点として機能させています。

名寄新聞の歩み：沿革

名寄新聞の歴史は、戦後間もない1947年に「週刊名寄タイムス」が創刊されたことに遡ります。これは北進公論社によって発行されたもので、現在の名寄新聞のルーツと位置づけられています。

1947年: 北進公論社から「週刊名寄タイムス」が創刊され、名寄新聞の礎が築かれました。
1953年: 「週刊名寄タイムス」が「北方タイムス」と統合。この際に題号が現在の「名寄新聞」へと改められました。
1954年: さらに「日刊名寄」との統合を果たします。これを機に、発行元である北進公論社の社名が「名寄新聞社」へと変更されました。
1957年: 週刊体制から完全日刊体制へと移行。これにより、より速報性の高い地域情報の提供が可能となりました。
1959年: 事業拡大に伴い、下川、風連、美深に新たな支局を開設し、取材網を拡充しました。
1961年: 支局体制の見直しが行われ、美深および風連の支局が閉鎖されました。
1967年: 紙面の判型が変更され、タブロイド判から現在のB3判へと大型化されました。
1979年: 印刷技術の進化に対応し、従来の活字印刷方式からオフセット印刷方式へと移行。これにより、写真や図版の再現性が向上し、紙面の表現力が豊かになりました。
1989年: 本社屋を現在の名寄市大通南2丁目に移転しました。
2003年: インターネット時代の到来に対応し、公式ウェブサイトを開設。デジタルでの情報発信を開始しました。
* 2022年: 地域に特化した情報を提供するウェブサイト「道北ネット」を開設し、デジタル媒体での情報提供をさらに強化しています。

名寄新聞は、創刊以来、地域社会の変遷と共に歩みを進め、印刷技術や発行形態を時代に合わせて変化させながら、名寄市とその周辺地域における重要な情報源としての役割を果たし続けています。

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