名岐鉄道キボ50形気動車

名岐鉄道キボ50形気動車

名岐鉄道キボ50形気動車は、名古屋鉄道の前身である名岐鉄道が1931年に新たに製作したガソリンカーであり、後に電動化改造を経て名前や番号が変更されています。元々は10両（51から60）で成り立っており、これらは全長10,700mm、定員80名を持つ半鋼製の小型ボギー車でした。

この気動車は、日本車輌製造で製造され、運用当初は非電化の城北線で運用されていました。城北線は上飯田駅から新小牧駅、および味鋺駅から新勝川駅までの区間を結んでいました。この気動車は、ブダ社製のDW-6というエンジンを搭載しており、出力は57馬力でした。また、手荷物置場の設備も備えていたため、利用者にとって便利な存在でした。

1942年の7月1日には、上飯田 - 新小牧間が電化され、元の気動車のうちの6両（51から56）はエンジンが取り外され付随車に改造されました。この時点で、これらは新たにサ2060形（2061から2066）に改称されました。一方、残る4両はキハ100形（100から104）に名前が変更され、新小牧駅から犬山駅間での運行に回されました。1947年には、小牧駅 - 犬山駅間の電化に伴い、これらのキハ100形も付随車に改造され、先に付随車化されたサ2060形と同じ形式のサ2060形（2067から2070）に改められました。

さらに1950年から1953年にかけて、600V区間用に電動改造が施され、ク2060形と改名されました。この改造後は、西尾線や蒲郡線で活躍するようになりました。しかし、2061号と2062号は1960年に廃車となり、その後、残存する車両も1967年に運行を終了しました。最後に運用されていたのは築港線で、ここでは5両くらいが2両の電気機関車に挟まれて使用されていました。

2066号と2069号は、最終的に福井鉄道に譲渡され、再び付随車化されてサ20形（21号、22号）として活躍することになりました。名岐鉄道キボ50形気動車は、その多くの変遷を経て、鉄道の歴史に名を刻んでいます。

参考文献

• - 小寺幹久「旅鉄Books40 名鉄電車ヒストリー」2021年、天夢人発行。
• - 清水武、田中義人「名古屋鉄道車両史 上巻（創業から終戦まで）」2019年、アルファーベータブックス刊。

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