名誉所長

名誉所長（めいよしょちょう）

名誉所長は、組織の運営や特定の分野において顕著な功績を挙げた人物に贈られる栄誉職または称号です。これは国の栄誉称号や、民間組織などが独自に定める名誉称号の一種として位置づけられます。類似の称号には、名誉総長や名誉センター長などがあり、特に名誉センター長については本項で併せて解説します。

この称号は、特定の機関において所長などの重要な役職を長年にわたり務め、その発展や活動に大きく貢献した者に対して授与されるのが一般的です。設置主体は多岐にわたり、国の機関、地方公共団体が設置する施設、大学、その他民間の研究所やセンターなどが含まれます。

設置主体と授与例

名誉所長の設置や授与は、その機関の性格や設置根拠によって異なります。主な設置主体とその事例は以下の通りです。

日本政府の機関
国の研究機関や公的な組織において、所長経験者など、功績が特に顕著な人物に授与されることがあります。例えば、内閣府経済社会総合研究所では名誉所長の役職が設けられており、2013年には清家篤氏がこの職に就任しています。

国立医療機関
国立の高度専門医療センターや国立ハンセン病療養所などでは、過去に総長、病院長、研究所長、または所長として長年勤務し、運営に功績があった者に対し、法令に基づき名誉総長、名誉院長、または名誉所長の称号が贈られる制度があります。この称号は現在、厚生労働大臣によって授与されています。

地方公共団体
都道府県や市町村が設置・所管する施設においても、名誉所長または名誉センター長の称号が定められています。
都道府県：岐阜県では、県所管施設に勤務し、顕著な功績のあった者に対して名誉所長の称号を贈った例があります。千葉県では、救急医療センター、がんセンター、精神科医療センターにおいて、功労顕著なセンター長経験者に対し名誉センター長の称号を授与しています。また、2005年に開催された愛・地球博に関連し、愛知県のあいち海上の森センターでは、広報プロデューサーを務めたマリ・クリスティーヌ氏が名誉センター長に任命された例があります。
市町村：山梨県南アルプス市にある高度農業情報センターでは、条例により名誉所長の職を置くことができるとされています。その他、名古屋市総合リハビリテーションセンターなどにも名誉センター長が置かれています。

大学
国内外を問わず、大学内に設置された研究所やセンターなどにおいて、名誉職の所長として名誉所長が置かれる場合があります。

名誉センター長

名誉所長と同様に、センターと称する機関において、功績を称え授与される栄誉職または称号が名誉センター長です。前述の通り、千葉県や愛知県、名古屋市などの事例があります。

まとめ

名誉所長および名誉センター長は、特定の機関への貢献を公式に認め、敬意を表すために設けられた称号です。その設置基準や授与方法は各機関によって異なりますが、いずれも長年の功績や功労を称えるという共通の目的を持っています。他の名誉称号（名誉総長、名誉院長、名誉社長など）と同様に、実務を伴わない名誉職として位置づけられることが一般的です。

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