名越由貴夫

名越由貴夫：日本の音楽シーンを彩る多才なギタリスト

名越由貴夫は、1965年岡山県生まれのギタリスト、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、そしてスタジオ・ミュージシャンとして、日本の音楽シーンにおいて多大な貢献を果たしている人物です。

彼のキャリアは、1989年に結成されたノイズロックバンド、コーパス・グラインダーズから始まります。ベースレスのトリプルギターという異色の編成で注目を集め、USインディーロックシーンにも通じるサウンドは高い評価を受けました。このバンドでの活動は、彼独自の演奏スタイルを確立する上で大きな影響を与えました。特徴的なオクターバーやワーミーペダルを駆使した演奏は、まるでギターがベースの役割も担っているかのようで、奥行きのあるサウンドを生み出しています。

コーパス・グラインダーズでの経験を経て、名越は様々なアーティストとのコラボレーションを開始します。小林武史率いるYEN TOWN BANDへの参加、そしてLily Chou-Chouへの正式加入は、彼のキャリアにおける重要な転換点となりました。これらのバンドで培った経験は、彼の音楽的視野を広げ、多様な音楽ジャンルへの対応力を高めました。

また、彼は数多くのアーティストの楽曲制作にも携わってきました。CHARA、UA、椎名林檎、Salyuなど、実力派女性アーティストの作品に数多く参加し、その繊細でエモーショナルなフレーズは、楽曲に独特の深みを与えています。その他にも、桃乃未琴、Hitomi、フジファブリック、Superfly、長渕剛など、ジャンルを問わず幅広いアーティストのレコーディングやライブに参加し、その高い演奏技術と音楽センスは高く評価されています。特にCHARAとの関係は深く、代表曲である「タイムマシーン」は、吉村秀樹と共に共同で作曲しています。

名越の演奏スタイルは、コーパス・グラインダーズで培われたテクニックがベースとなっています。オクターバーやワーミーペダルを用いた独特の音作り、そして繊細かつ効果的なエフェクトの使い方は、音数の少ない楽曲においても、存在感を放つ独特のサウンドを生み出します。このスタイルは、CHARA、UA、Salyuといった、音数の少ない儚げな女性歌手の楽曲制作において、特に効果を発揮し、楽曲に深みと奥行きを与えています。

彼の活動は、バンド活動にとどまりません。1999年には、ash-rayを結成。実験的なロックサウンドを追求し、音楽的な探求心を示しました。また、bloodthirsty butchersのアルバムプロデュースや、椎名林檎の楽曲編曲など、音楽プロデューサーとしての顔も持ち合わせています。加山雄三率いるTHE King ALL STARSへの参加や、宮本浩次のソロプロジェクトへの参加など、彼の活動は多岐に渡り、常に音楽シーンの最前線で活躍し続けています。

名越由貴夫は、卓越した演奏技術、幅広い音楽性、そしてアーティストとの深い信頼関係によって、日本の音楽シーンに欠かせない存在となっています。これからも、彼の活躍から目が離せません。

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