名鉄サ2240形電車

名鉄サ2240形電車について

名鉄サ2240形電車は、名古屋鉄道にかつて存在した電車で、主に付随車として運用されていました。この電車は、戦時中の車両不足を背景に、1943年に鉄道省から購入したキハニ40703を改造して作られました。エンジンを除去することで付随車としての役割を果たし、サ2240形（2241）として瀬戸線で運行されていたのです。

車両の歴史

キハニ40703は、もともと佐久鉄道のガソリンカーであり、1931年に日本車輌製造によって製造されました。この車両は半鋼製で、1934年には国有化された後、鉄道省キハニ40602として運用されていました。その後、名称がキハニ40703に改称されました。

1948年1月5日、サ2240形は瀬戸線の大森駅東側で脱線転覆事故を起こし、大きな損傷を受けました。戦後の厳しい車両不足のため、修理が行われ、1949年5月に再び運行を開始しました。その後、渥美線に移動し、一定の期間運用されました。

1954年10月、渥美線が豊橋鉄道に譲渡される際、名鉄サ2240形電車もともに豊橋鉄道に転籍しました。転籍後、この電車は制御化され、ク2240形に改称されました。その後も運行を続けましたが、1969年に廃車となり、名鉄サ2240形の歴史に幕を下ろしました。

車両の性能

1944年時点でのサ2240形の性能は以下の通りです:

• - 全長: 11,880 mm
• - 全幅: 2,640 mm
• - 全高: 3,460 mm
• - 台車: BB-75
• - 自重: 12.4 t
• - 定員（着席）: 70(30)人

このように、名鉄サ2240形電車は、様々な変遷を経て運用され、豊橋鉄道においてもその役割を果たしてきました。戦後の復興期における重要な交通手段として、多くの人々に利用されていたことが伺えます。多くの歴史的背景を有するこの車両は、名古屋鉄道および豊橋鉄道の車両史において、特筆すべき存在です。

参考文献

清水武、田中義人著「名古屋鉄道車両史 上巻」、アルファベータブックス、2019年4月。

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