名鉄ト750形貨車

名鉄ト750形貨車について

名鉄ト750形貨車（めいてつト750がたかしゃ）はかつて名古屋鉄道で使用されていた木造無蓋車であり、その歴史は1924年にさかのぼります。この貨車は、名古屋電車製作所によって製造された瀬戸電気鉄道の12トン積み木造無蓋車ト100形（ト101 - ト115）の一部で、当初は15両が製造されました。

歴史の始まり

瀬戸電気鉄道は1939年に名古屋鉄道と合併し、これに伴いト100形の15両は名古屋鉄道に引き継がれました。その後、1941年にト750形（ト751 - ト765）へと改番が行われました。これにより、名古屋鉄道の一員として新たな運用が始まったのです。

運用の変遷

ト750形は国鉄直通の貨車として瀬戸線での運用が開始されましたが、昭和30年代の前半には1両が廃車となりました。残った車両については、昭和30年代に入ると空気制動を設置する改造が施され、運用の幅が広がりを見せました。1963年には三河線に転出し、その後は私有貨車として姿を変えて運用されることになりました。

最後の運命

国鉄の貨物列車の速度が、ヨンサントオダイヤ改正により75 km/hに引き上げられたことで、ト750形はこの新たな速度要件に対応できない状況となりました。また、名鉄の私有貨車制度が廃止されたことで、ト750形は1968年に形式消滅を迎えました。このように、ト750形は運用開始から終焉まで、さまざまな変化を経ていった貨車なのです。

参考文献

当貨車の詳細については、清水武・田中義人・澤内一晃の著書『名古屋鉄道の貨物輸送』に記されています。同書はフォトパブリッシングより2021年に出版されており、ISBNは978-4-8021-3270-1です。これを参考に、名鉄ト750形貨車の歴史や運用という側面をより深く理解することができるでしょう。

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