名鉄ワフ30形貨車

名鉄ワフ30形貨車について

名鉄ワフ30形貨車（めいてつワフ30がたかしゃ）は、かつて名古屋鉄道で使用されていた木造の貨車で、主に有蓋緩急車としての役割を果たしていました。このタイプの貨車は、合計で9両（ワフ31からワフ39まで）が運用されていました。

概要

この貨車の元々の設計は、愛知電気鉄道が導入した木造有蓋緩急車、ワブ310形にさかのぼります。1920年に日本車輛製造によって製造された愛知電気鉄道の木造有蓋車のうち、10両が1925年に有蓋緩急車として改造され、これがワブ310形（ワブ310からワブ319まで）となりました。

1927年には、これらのうちの1両が加悦鉄道に譲渡され、他の車両は名岐鉄道と愛知電気鉄道の合併に伴い、1935年に発足した名古屋鉄道に引き継がれることとなります。この時点でワブ310形の内、ワブ310からワブ318の7両が名古屋鉄道の運用に加わることになりました。

1941年には、これらの貨車がワフ30形（ワフ31からワフ39）に改番され、名古屋鉄道の貨物輸送の一翼を担いました。主に東部線での運用が行われていましたが、1951年には空気制動を設置し、さらに車体も更新されて鉄骨木造車体へと改良されました。

運用の変遷

しかし、名鉄ワフ30形貨車の運用は長続きせず、1968年までにほとんどの車両が廃車となりました。残ったワフ39は瀬戸線に転属しましたが、1978年に瀬戸線の貨物営業が廃止される際には、ワフ39も廃車され、名鉄ワフ30形貨車は形式として消滅することとなります。

参考文献

この情報は以下の著作に基づいています。

• - 清水武・田中義人・澤内一晃『名古屋鉄道の貨物輸送』フォトパブリッシング、2021年。
• - 小寺幹久『名鉄電車ヒストリー』天夢人、2021年。

名鉄ワフ30形貨車は、名古屋鉄道における貨物輸送の歴史的な一端を担った存在であり、その歴史を通じて多くの改造や運用の変移を経験してきました。その活動は、鉄道史の中でも一つの注目ポイントとなっています。

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