名鉄ワ100形貨車

名鉄ワ100形貨車の詳細

名鉄ワ100形貨車は、名古屋鉄道がかつて運用していた木造の有蓋貨車であり、その歴史は1927年（昭和2年）から始まります。当初は愛知電気鉄道の正規な貨車として使用されるべく、日本車輌製造によって製造された12両から成る車両群です。これらの貨車は、製造時から空気制動装置を搭載しており、じっさいに国鉄直通の貨物列車としても運用されました。

1935年（昭和10年）に名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併して名古屋鉄道が設立されると、これらの貨車は全て名古屋鉄道に引き継がれました。そして1941年（昭和16年）には、全車両がワ100形（新たにワ101からワ112に改番）に改名されました。この年、特にワ111とワ112の2両は上毛電気鉄道に譲渡され、名古屋鉄道での運用は減少しました。

戦後の時代においては、ワ100形は主に東部線や三河線で活躍しました。しかし、三河線で運用されていたワ101は車体の更新に伴い、鋼体化が進められました。これは、鉄道の運用効率を向上させるための重要な措置でありました。

しかし、その後の国鉄のダイヤ改正により、貨物列車の運行速度が大幅に引き上げられることになりました。具体的には、ヨンサントオダイヤ改正によって貨物列車の速度が75 km/hに増加しました。この速度基準にワ100形が対応できなかったため、1968年（昭和43年）には形式消滅という運命をたどることとなりました。

名鉄ワ100形貨車は、その歴史の中で多くの貨物を運搬し、名古屋鉄道の発展に寄与した存在でありました。現代においては、その残存する姿を見ることはできませんが、鉄道史における重要な一翼を担った車両群であったと言えるでしょう。

参考文献

• - 清水武・田中義人・澤内一晃『名古屋鉄道の貨物輸送』（フォトパブリッシング、2021年）ISBN 978-4-8021-3270-1

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