名鉄丸栄百貨店

名鉄丸栄百貨店の歴史と概要

名鉄丸栄百貨店は、愛知県一宮市にかつて存在した日本の百貨店であり、特異な経緯で設立されました。名鉄グループは名鉄一宮線の廃止を受け、同線の終点であった東一宮駅跡地に新しい百貨店を開設する計画を進めていました。同時期に名古屋市の丸栄も一宮に進出しようとしていたため、地元からの反発を避けるために両社の計画は一本化されました。

1966年12月に、名鉄丸栄百貨店は資本金1億円で設立されました。この合弁事業は、名古屋鉄道と名鉄百貨店の名鉄グループが42%の出資を行い、残りは地元の丸栄や他の出資者による共同出資と言う特異な形態をとりました。

百貨店の場所は、名鉄が計画していた東一宮駅跡に決まり、地下1階、地上7階の建物が1968年6月に着工されました。売場面積は約11,500m²という広さを持ちました。開業は1969年10月1日で、愛称は「メイエイ」と名付けられ、「メイエイで夢とセンスのお買物」というキャッチフレーズが発表されました。また、東一宮駅のバスターミナルは名鉄丸栄百貨店内へ移転し、「名鉄丸栄百貨店前バスターミナル」となりました。

その後、1982年2月には名鉄グループが全株を取得し、社名及び店名を一宮名鉄百貨店に変更しました。名鉄丸栄百貨店は、一宮の中心市街地に位置する代表的な店舗の一つとして知られていました。しかし、モータリゼーションの進展により、郊外に大型店が進出し、旧商店街が衰退。さらに名鉄とJRの一宮駅から数百メートルの場所に位置していたため、立地の不便さが影響しました。

ついに2000年9月には新たに名鉄百貨店一宮店が一宮駅ビルにオープンし、名鉄丸栄百貨店は閉店を余儀なくされました。店舗の閉店後、会社は清算され、2001年には建物が解体されました。

現在、名鉄丸栄百貨店があった場所には名鉄不動産が分譲したマンションが建設されており、名鉄バスのターミナルは新一宮駅跡地へ移転し、「新一宮駅バスターミナル」として運用されています。

沿革

• - 1969年（昭和44年）10月1日: 名鉄一宮線廃線に伴う再開発で名鉄バスのバスターミナル併設のターミナルデパートとして開店。
• - 1982年（昭和57年）2月: 名鉄グループの完全子会社となり、一宮名鉄百貨店へ社名と店名を変更。
• - 2000年（平成12年）9月: 名鉄百貨店一宮店の開設に伴い閉店。

その他

名鉄丸栄百貨店には名鉄バスのターミナルが併設されており、地域住民や観光客の利便性が高い施設でした。百貨店閉店後、名古屋鉄道の事業の一環として駅ビル内に新たな名鉄百貨店がオープンしましたが、名鉄丸栄百貨店の思い出や地域経済への影響は今も色濃く残っています。

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