名鉄3700系電車 (2代)

名鉄3700系電車の概要

名鉄3700系電車は、名古屋鉄道によって1957年に製造が開始された電車です。木造車両の更新を目的とし、旧型HL車の走行機器を流用して設計されました。このグループには3730系、3770系、3780系など、異なる系列が含まれすべて日本車輌製造によるものです。3700番台は、当初から電動車比率の変更に伴う欠番補充を目的として増備され、最終的には41両が製造されました。

3700系の特徴

3700系のデザインは、深い張り上げ屋根と幅1,000mmの二段窓を備えています。車体は全金属製で、長さは17mと他の高性能車両から比べて短めですが、軽量で自重は電動車で30t、付随車で21tに修正されています。当初はロングシート配置でしたが、1960年代後半には扉間を転換クロスシートに改造されました。

この電車には、流用された主電動機が搭載されており、出力は75kWで、電動車1両の出力は300kW（約400PS）に過ぎないため、性能は旧式のままでした。通常編成では、満員乗車時の最高速度は85km/h程度に制限され、急行運転においても平坦線での最高速度は100km/hに達しました。ただし、乗客数にかかわらず運用上は十分ではないことがありました。

動力車と編成の変遷

3700系の編成は当初、全電動車の計画がありましたが、実績やコストの問題から片方を制御車にしたMT編成に変更されました。これにより、多くの異なる編成が生まれました。また、車両の電装解除や改番も頻繁に行われ、最終的には3770系や3730系に編成を組むケースも見られました。

さらに、1973年には一部が瀬戸線に移管され603V仕様に改造されることもありましたが、1978年の1500V昇圧に伴い元の仕様に戻されたこともあります。

3730系と3770系について

3730系は、1964年に3700系を基に仕様変更が加えられたものであり、高運転台や両開きの1,400mm幅の扉が特徴です。3770系は、その後の増備車として全席が転換クロスシートに変更されました。両系列とも、名鉄の通勤輸送における重要な役割を果たしました。

3780系と冷房設備

3780系は1966年に登場した、3700系グループの最終増備車です。HL車として初めて冷房装置を搭載し、支線区への直通特急などで広く使用されました。この車両は、顧客の快適性を高めるために設計されました。

結論

3700系シリーズは名鉄の歴史の中で重要な位置を占める車両群です。その更新モデルや併せて製造された3730系、3770系、3780系がもたらした都市交通の利便性は、現代まで受け継がれています。名古屋鉄道の車両はその後も進化を続けていますが、3700系の存在は今なお多くの鉄道ファンに記憶されています。

もう一度検索