名鉄3900系電車

名鉄3900系電車

名鉄3900系電車は、1952年から1987年まで名古屋鉄道で使用されていた特急用の電車です。この車両は名鉄の1500V用新造車両としての最後の吊り掛け駆動を持つLL車（間接自動制御車）であり、特に特急運用に力を入れて製造されましたが、終盤には支線の直通列車でも用いられました。3900系は、他の同型車と比べても優等列車での使用頻度が高く、その存在意義は大きいものでした。

車体の特徴

3900系電車の車体は、張り上げ屋根のデザインが施されており、ウインドウにはシルやヘッダーが付いています。この車両は、従来の強固な台枠を基にした車体構造で設計され、名鉄としての最後のモデルとなりました。先頭車と中間車では設計に違いがあり、扉や窓の配置も異なる点が特徴です。先頭車はd2D5D2の配置、中間車は2D6D2という形式で、扉横には戸袋窓が設けられています。これにより、先頭車と中間車でのデザイン的工夫が見受けられます。

3900系は末期まで製造当初の形をほぼ保持しており、目立った改造は前照灯の二灯化と側窓のアルミサッシ化程度です。中でもク2903は高運転台に改造され、より3850系に似た外観を持つことになりました。

内装デザイン

内装に関しては、ボックス型のセミクロスシートを採用。他の部分でもロングシートに変更されていきました。このスタイルは、名鉄の車両の中でも最多の定員を誇り、当初76名から末期には72名に減少しました。室内には当時新しいデコラ色板を使用し、明るさが印象的な車内を特徴としています。蛍光灯が初めて導入され、明るい照明が実現されました。

台車の仕様

3900系は重いゲルリッツ式台車（FS-107）を使用し、動力車はモ3901からモ3903までがこの台車を装備。そのため、安定した走行が可能でした。一方、付随車にはFS-13というペデスタル式の台車を用い、全体のバランスを保っていました。特に、動力台車は各車両共通の仕様となっており、一定の安定性を持つものであったと言えるでしょう。

編成の変遷

3900系は、当初はモ3900(Mc)とク2900(Tc)の2両編成として登場しましたが、1953年には中間車を加えた4両編成へと進化しました。このようにして3400系とともに名鉄初の4両固定編成が誕生したのです。その後も様々な編成の形態が取られ、次第に新型車両が登場する中でも3900系は独自の役割を果たしていました。

歴史的背景

1954年にはさらなる4両編成が導入され、その中で新性能の試作車が位置付けられました。最終的には廃車が進行し、その部品が他の車両に流用されていくことになります。名鉄の1500V用吊り掛け駆動の最後の新造車両として、3900系は時代の変遷を見ることとなったのです。廃車後も、その台車や部品が他の車両に活用され、3900系の影響は色濃く残っています。

結語

名鉄3900系は、名古屋鉄道の歴史における重要な存在であり、特に特急運用において欠かせない車両でした。新技術と伝統的なデザインが融合したこの車両は、時代を超えて多くの鉄道ファンから愛され続けることでしょう。

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