向日神社

向日神社（むこうじんじゃ）

向日神社は、京都府向日市向日町北山に存在する歴史的な神社であり、向日明神とも称されています。この神社は、式内社に指定されており、旧社格は府社に位置しています。

祭神

主祭神は、向日神、火雷大神、玉依姫命、そして神武天皇です。向日神社は、古い信仰の名残を持っており、その魅力は多くの参拝者を惹きつけます。

歴史

向日神社の起源は、同じ向日山に鎮座していた「向神社」と「火雷神社」にさかのぼります。これらの神社は、延喜式神名帳に記載されている由緒ある存在です。特に「火雷神社」は、乙訓坐火雷神社に関連する論社とされます。一方、向神社は御歳神である向日神が稲作を育むことに寄与したとされ、設立の背景には五塚原古墳が関わっています。

向神社は718年、元稲荷古墳の南側に位置を移しました。火雷神社は神武天皇が大和国から山背国へ移る際に創設されたとされ、継体天皇の時代、518年頃にも成り立ちました。また、718年には社殿が新築され、玉依姫命と神武天皇もその祭神として合祀されました。

796年には、長岡京の設立とともに向神社も中心的な役割を果たしましたが、その後の時代に戦乱や衰退を経験します。特に1221年の承久の乱では、宮司が後鳥羽上皇を支持して敗れ、社が衰微しました。その後1275年に向神社が火雷神社を併祭することで、向日神社へと改名され、総鎮守としての地位を確立します。

1422年、応永29年には地域7村の協力により、本殿が重要文化財として再建されました。また、土一揆の際にはこの神社で集結し京都へ向かう光景が見られました。

明治時代には府社に格上げされ、さらなる発展を遂げました。しかし、1961年には高速道路建設の影響で丘陵が削られ、神社の周囲は変わってしまいましたが、近年桜の園が復元され、参拝者にまた新たな魅力を提供しています。

境内の特徴

境内は、京都府道67号線から長い石畳の参道が続き、桜やカエデの並木が情緒を醸し出しています。しかし、自動車も通るため、参拝者は注意が必要です。

本殿は室町時代の流造を代表するものであり、明治神宮の本殿のモデルにもなっています。その他、重要文化財に指定されている多くの建物が境内に存在し、特に1800年代に再建された構造物が多数残っています。

また、境内には神仏習合の名残を持つ神変大菩薩や様々な末社も配置されており、信仰や歴史に触れることができます。それぞれの社には祭神が祀られており、訪れる人々にとって多様な信仰体験を提供しています。

祭礼と文化財

向日神社の祭礼は年頭祭や索餅祭などで実施され、地域の人々にとって重要なイベントです。

また、本殿や本殿覆屋、各種末社などが国登録有形文化財に指定されており、歴史的価値が高いです。特に、本殿は重要文化財として特に保護されています。

交通

神社へのアクセスは、阪急京都本線の西向日駅から北西へ500メートルと近く、訪れるのにも便利です。向日神社は、歴史と自然が調和した場所であり、訪れる価値が十分にある場所と言えるでしょう。

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