呂五十七型潜水艦

呂五十七型潜水艦について

呂五十七型潜水艦は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦の艦級であり、L3型とも呼ばれます。この艦級は、先行するL2型潜水艦の改良型として設計され、いくつかの重要な変更が加えられました。主な変更点としては、魚雷発射管が45cmから53cmへと大型化されたことが挙げられます。これにより、より強力な魚雷の運用が可能となりました。また、凌波性を向上させるために乾舷が高められるなど、艦形にも若干の変更が施されています。さらに、本型から水中聴音機であるKチューブが装備され、水中での探知能力が強化されました。

1922年（大正11年）から1923年（大正12年）にかけて、三菱神戸造船所にて3隻が竣工しました。竣工時は第四十六潜水艦、第四十七潜水艦、第五十七潜水艦という艦名でしたが、1924年（大正13年）11月1日に呂号第五十七潜水艦、呂号第五十八潜水艦、呂号第五十九潜水艦へと改称されました。第二次世界大戦時には、既に旧式化していたため、第一線での作戦には投入されず、主に練習潜水艦として活用されました。終戦後、3隻ともアメリカ軍によって処分されました。

科学調査への貢献

特筆すべき点として、呂五十七型[潜水艦]]は、地球物理学の分野で重要な役割を果たしました。1934年（昭和9年）10月、地球物理学者の松山基範が、呂号第五十七潜水艦にベーニング・マイネス型海上重力測定装置を搭載し、相模湾から日本海溝にかけての重力測定を実施しました。この測定は、釧路沖までの広範囲にわたって行われ、計29点の測定データが得られました。さらに、翌1935年（昭和10年）には、伊号第二十四潜水艦（初代）を用いて、相模湾から小笠原諸島までの重力測定も行われました。これらの測定結果は、1936年（昭和11年）にエディンバラで開催された国際測地学・地球物理学連合]第6回総会で報告され、松山らによる[[日本海溝における負の重力異常の発見は、国際的に高く評価されました。

同型艦

呂号第五十七潜水艦: 1922年（大正11年）7月30日竣工。当初は第四十六潜水艦と命名。終戦時は小豆島で甲標的の訓練支援に従事。戦後、呉付近で海没処分され、1945年（昭和20年）11月20日に除籍。
呂号第五十八潜水艦: 1922年（大正11年）11月25日竣工。当初は第四十七潜水艦と命名。終戦時は横須賀で訓練艦として使用。1945年（昭和20年）9月15日に除籍後、同年10月に清水付近で海没処分。
呂号第五十九潜水艦: 1923年（大正12年）3月20日竣工。当初は第五十七潜水艦と命名。終戦時は大竹の海軍潜水学校で訓練艦として使用。1945年（昭和20年）11月20日に除籍。1946年（昭和21年）5月に伊予灘で海没処分。

第六潜水隊

呂五十七型潜水艦は、同型艦3隻で構成されていたため、3隻で1個潜水隊を編成し、横須賀鎮守府の固有番号を与えられ第6潜水隊を編成しました。太平洋戦争中は主に練習に使用され、1945年（昭和20年）5月1日に解隊されました。

第六潜水隊の変遷

大正11年'>[1922年]12月1日：第四十六潜水艦（呂57）、第四十七潜水艦（呂58）で編成。第一艦隊第1潜水戦隊に所属。
大正12年'>[1923年]3月20日：第五十七潜水艦（呂59）を編入。
1938年(昭和13年)11月1日：一旦解隊。
1939年(昭和14年)4月1日：再建。
昭和20年'>[1945年]5月1日：解隊。

まとめ

呂五十七型潜水艦は、旧式化しながらも、その後の潜水艦開発に繋がる技術的な進歩をもたらし、また、科学調査にも貢献した艦級でした。その存在は、日本海軍の潜水艦史において、重要な位置を占めています。

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