呂百型潜水艦

呂百型潜水艦

呂百型潜水艦（ろひゃくがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍に所属した小型の潜水艦艦級であり、1941年から1944年にかけて18隻が建造されました。この艦型は、主に離島の防御を目的として設計されましたが、最終的にはすべての艦が戦没する運命にありました。

概要

呂百型潜水艦の建造は、1941年（昭和16年）の戦時計画であるマル臨計画に基づくもので、最初の9隻が計画され、続く1942年（昭和17年）のマル急計画でさらに9隻が追加され、合計18隻が建造されました。これらの艦は、主に量産が行いやすい小型の設計であり、ブロック建造の手法によって、各艦は約1年の短期間で完成しました。

設計上、呂百型潜水艦は沿岸での運用を前提としているため、航続距離は短くなっていました。兵装については、砲を装備しておらず、機銃と魚雷のみを搭載していました。主機には改良されたビッカース式ディーゼルエンジンを使用し、冷却装置も備えていました。しかし、その小型であるがゆえに、速力、居住性、そして凌波性の面では劣っており、乗員からの評判はあまり良くなかったという報告も残っています。

任務と戦没

完成した呂百型潜水艦は、当初の離島防御としての期待には応えられず、中部太平洋における哨戒任務に従事しました。戦闘においては、商船や輸送艦を7隻、駆逐艦を1隻沈める戦果を上げるも、その後の運命は厳しいものでした。

1944年の春、呂百型潜水艦はサイパンやアドミラルティ諸島付近の哨戒任務中に一挙に7隻を失い、そのほかにも多くの艦が戦没しました。最終的に、18隻すべてが戦闘中に沈没または行方不明となりました。

同型艦の沈没情報

以下は呂百型潜水艦の艦名、竣工日、沈没日、沈没原因、および沈没場所です。

• - 呂号第百潜水艦: 1942年9月23日竣工、1943年11月25日沈没（触雷、ブーゲンビル島付近）
• - 呂号第百一潜水艦: 1942年10月31日竣工、1943年9月15日沈没（哨戒機と米駆逐艦による攻撃、サンクリストバル島南東）
• - 呂号第百二潜水艦: 1942年11月11日竣工、1943年5月14日沈没（魚雷艇との交戦、ニューギニア南東ラビ付近）
• - 呂号第百三潜水艦: 1942年10月31日竣工、1943年8月10日沈没認定（記録なし、ソロモン方面）

他の艦も同様に、アドミラルティ諸島付近や沖縄近海での任務中に米軍の攻撃を受け、次々と沈没していきました。

潜水隊の変遷

呂百型潜水艦は、初期の10隻が第7潜水戦隊に所属し、中部太平洋での哨戒任務に従事しました。1943年8月には、これらの艦が第51潜水隊として編成されましたが、結果的に多くの艦が戦没し、戦隊の編成は何度も変更されていきました。特に、1944年には激しい損耗が続き、第51潜水隊は昭和19年8月15日に解隊され、残存艦はより新しい隊に編入されました。

このように、呂百型潜水艦は製造された18隻すべてが戦闘の中で失われるという、厳しい運命をたどりました。彼らの歴史は、当時の海軍作戦の悲劇を物語っています。

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