呉振宇

呉振宇の生涯と業績

呉振宇（オ・ジヌ、1917年3月8日 - 1995年2月25日）は、朝鮮民主主義人民共和国における有力な軍人であり政治家として知られています。彼は朝鮮人民軍の軍隊および政府機関の重要な役職を数多く歴任しました。その功績は、彼が担った役割の重要性からも理解されます。

幼少期と初期の経歴

呉は咸鏡北道の農民の家庭に生まれ、非常に若い頃からパルチザン運動に参加しました。1935年には、東北抗日聯軍第5軍第2師第5団に所属し、抗日ゲリラ闘争に加わりました。彼の活動は、1937年7月に中国共産党へ入党したことでさらに活発化しました。1942年には第88独立狙撃旅団にて副排長を務めるなど、将来の軍事的リーダーシップを示しました。

軍と政府での活動

太平洋戦争後、呉振宇は朝鮮人民軍における重要なポジションを次々と獲得しました。1946年には中央保安幹部学校の副校長に就任し、同年には第3軍官学校の校長にも選ばれました。また、朝鮮戦争中には人民軍の複数の部隊で指揮を取り、戦争の戦局に大きな影響を与えました。

朝鮮戦争後、彼は空軍司令部の参謀長や、総参謀部の副参謀長として国防政策や軍の強化に寄与しました。1956年の朝鮮労働党第3回党大会では党の中央委員候補に選出され、1961年には党中央委員に昇進しました。また、1967年には総政治局長に任命され、その後1968年には総参謀長に昇進しました。

政治的影響力の拡大

呉振宇は1970年の党大会で党の政治局常務委員に選ばれ、翌年には国防委員会の副委員長を兼任するなど、党内での影響力を急速に高めました。彼は金日成と深い信頼関係にあり、特にパルチザン派として知られる彼の存在は国家建設において無視できないものでした。

さらに、金正日がその後継者として擁立される際には、呉振宇は金正日の異母弟の後ろ盾となり、彼らの間に複雑な力関係が生まれました。しかし、金正日の懐柔戦略によって呉も次第に金正日を支持するようになり、党内での発言力を保ちました。

晩年と死去

1980年代には、呉振宇は党内での地位をさらに強化し、1985年には朝鮮人民軍の次帥の称号を授与されました。1987年には金日成勲章を受け、また交通事故に遭った際には金正日が彼の回復を手助けしました。1992年には元帥に昇進し、1994年には金正日とともに重要な政治的地位を占めました。

1995年2月25日、呉は癌により惜しまれつつ死去しました。彼の葬儀は国葬として行われ、多くの国民に弔われました。彼の生涯は、朝鮮民主主義人民共和国の歴史の中で忘れることのできないものであり、彼の政策や決定は今なお影響を及ぼしています。

家族について

呉振宇の家族では、三男が朝鮮労働党中央委員会の軍政指導部長として活躍しています。また、彼の妻は金正日の幼少時代の担任であったようです。家族の背景もまた、彼の政治的地位と密接に関連しています。

以上のように、呉振宇は朝鮮民主主義人民共和国の歴史においてその名を刻み続けている人物であり、彼の活動は多くの人々に影響を与えました。

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