呉柏毅

呉柏毅（う ぼい）

呉柏毅（1996年1月26日生まれ）は、関西棋院に所属する台湾出身の囲碁棋士で、六段の段位を有しています。王立誠九段の門下として知られています。

経歴

台湾で生まれた呉柏毅は、8歳の時に日本へ渡り、東京都内の公立小学校に入学しました。囲碁の研鑽を積むため、中国や韓国へも留学経験があります。小学生時代からその才能を発揮し、台湾のアマチュア棋戦である栄三杯全国学生棋王トーナメントで4位入賞、永大杯七段戦では全勝優勝を果たし、当時台湾に22人しかいなかったアマチュア七段に、12歳という最年少記録で昇段しました。

2009年、13歳で再び来日し、日本棋院の院生として王立誠九段の指導を受けました。同年から日本棋院の棋士採用試験に挑戦するも、プロ入りの道は容易ではありませんでした。2012年の冬季棋士採用試験本戦では、呉柏毅を含む7名が9勝6敗で並ぶという混戦となりましたが、順位決定規定により呉柏毅は4位となり、入段を逃しました（この時の入段者は、14勝1敗の許家元と9勝6敗の藤村洋輔）。その後、17歳の年齢制限により日本棋院の院生を退会しました。

2013年には、朝日アマ名人戦で全国大会優勝を果たし、17歳での優勝は大会史上最年少記録となりました。しかし、洪奭義アマ名人への挑戦は0勝2敗で敗退。同年、日本棋院の冬季棋士採用試験に外来として参加し、本戦で11勝4敗の成績を収めましたが、順位決定規定によりまたも4位となり、入段は叶いませんでした（この時の入段者は、13勝2敗の外柳是聞と11勝4敗の張瑞傑）。

2014年、関西棋院の採用試験に合格し、足掛け5年、10回目の挑戦でついにプロ入りを果たしました。合格に際し、台湾出身で数々のタイトルを獲得している謝依旻のような棋士になりたいと抱負を語りました。同年4月1日、18歳で入段。

2015年には、関西棋院賞新人賞を受賞。2016年には、第3回ゆうちょ杯（非公式戦）で優勝、第42期碁聖戦では自身初となる七大棋戦本戦への出場を果たしました。2016年は19連勝を記録するなど目覚ましい活躍を見せ、関西棋院賞の連勝賞・永井賞を受賞しました。

2017年にはNHK杯に初出場（第65回）し、2018年には第44期天元戦本戦で2勝を挙げました。第43期棋聖戦Cリーグでは4勝1敗の成績でBリーグに昇格。2019年の第44期棋聖戦Bリーグでは2勝5敗でCリーグに降格しましたが、2020年の第45期Cリーグでは4勝1敗で再びBリーグに昇格しました。

2021年、第46期棋聖戦Bリーグは2勝5敗でCリーグに降格。関西囲碁オープン2021（非公式戦）のAクラスで優勝。2022年、第47期棋聖戦Cリーグ4勝1敗で三度目のBリーグ昇格を果たすと、2023年、第48期棋聖戦のBリーグ2組を6勝1敗で制して初のAリーグ昇格。プレーオフでは1組1位の安達利昌に敗れ、挑戦者決定トーナメント進出はなりませんでした。また、関西囲碁オープンのAクラスで自身二度目の優勝を飾りました。

人物・エピソード

来日後、プロ入りを果たすまでの間、1日に10時間以上を囲碁に費やしました。当時の心境について、台湾のインタビューで「囲碁は私の人生だから、どんなにつらくても続ける」と語っています。東京での修行時代には、洪清泉が主宰する洪道場にも所属し、研鑽を重ねました。

2013年の第8回朝日アマ名人戦全国大会決勝では、大表拓都（2016年に日本棋院で入段）と対戦し、勝利。呉柏毅が大会史上最年少（17歳）で優勝しましたが、大表も当時17歳だったため、どちらが優勝しても最年少記録となる状況でした。

棋歴

良績

ゆうちょ杯（非公式戦） 優勝（2016年・第3回）

受賞歴

関西棋院賞
永井賞 1回（2016年）
連勝賞 1回（2016年）
新人賞（2015年）

昇段履歴

2014年4月 入段
2016年1月 二段
2017年1月 三段
2018年1月 四段
2019年1月 五段
* 2024年1月 六段

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