周叙

周叙（しゅう じょ）は、明代に活躍した学者・官僚であり、字を功叙、号を石渓と称しました。1392年に吉州吉水県で生まれ、1452年に61歳でその生涯を閉じました。

彼の父は周鳴、母は彭氏であり、次男として生を受けました。幼少の頃からその才能は際立っており、11歳にして詩作の才能を発揮しました。1418年には進士に合格し、その後のキャリアを翰林院でスタートさせます。

翰林院では庶吉士に選ばれ、「黄鸚鵡賦」という作品を制作しました。1421年には翰林院編修に任命され、1430年には翰林院修撰へと昇進しました。1438年には侍講学士となり、1441年には翰林院侍読に任じられるなど、順調にキャリアを重ねていきました。

周叙は、単に官僚としての職務を遂行するだけでなく、民衆の苦しみにも深く心を痛めていました。1443年の夏、旱魃による飢饉が発生し、多くの人々が僧侶や道士として出家していく状況を目の当たりにしました。このような状況にもかかわらず、官僚たちは民衆の苦境を顧みず、収奪に励むばかりでした。周叙はこの惨状を憂い、官僚の無策と不正を批判する上奏文を提出しました。この上奏は英宗の目に留まり、大臣たちに示されると、王直らは責任を取って辞任を申し出る事態となりました。

1446年には南京侍講学士に転任しました。正統年間末期には、『宋史』『遼史』『金史』の重修を朝廷に願い出て編纂作業を進めましたが、残念ながら完成を見ることはありませんでした。1449年に土木の変が起こり、英宗が捕らえられるという国難に際しては、郕王朱祁鈺が北京で監国となりました。この時、周叙は臥薪嘗胆の故事を引用し、復讐を求める八事を上疏しました。さらに、1451年には午後の朝議を復活させるように請願するなど、国家の危機に際して積極的に行動しました。

1452年3月、周叙は61歳でこの世を去りました。彼の著書には『石渓集』18巻が残されており、彼の思想や文学的才能を今に伝えています。周叙は、単なる官僚としてではなく、学者としての才能、そして民衆を思う心を持ち合わせた人物でした。彼の生涯は、その学識と民への深い憂慮によって彩られています。彼の残した業績は、後世にも大きな影響を与え、その名は歴史に刻まれています。

周叙の生涯は、明代の政治と社会を理解する上で重要な手がかりを与えてくれます。彼の行動や思想は、当時の官僚のあり方や社会問題に対する一つの視点を提供し、現代においても学ぶべき点が多くあります。彼の存在は、歴史の中で輝きを放ち続け、私たちに多くの教訓を与えてくれるでしょう。

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