周朝瑞

周朝瑞（しゅう ちょうずい）は、明代末期の官僚であり、字は思永、号は衡台と称しました。彼は臨清州の出身で、1580年に生まれ、1625年に46歳でその生涯を閉じました。周朝瑞は、その短い生涯の中で、明朝の政治腐敗と戦い、正義を貫こうとした人物として知られています。

1607年、周朝瑞は進士に及第し、中書舎人に任じられます。その後、1620年には吏科給事中に抜擢され、その才能を発揮し始めました。彼は、万暦帝時代の遺臣で実直な人物を登用するよう訴え、また、皇帝が仁賢を信じ、徳沢を広め、邪佞を遠ざけるべきだと主張しました。しかし、その言葉は、当時の権力者である宦官たちの不興を買うことになります。特に、宦官を批判する言動は、彼らにとって大きな脅威となり、周朝瑞は泰昌帝の怒りを買い、官位を降格させられてしまいます。

しかし、天啓帝の即位によって、周朝瑞は再び吏科給事中に復帰し、その職務を全うします。彼は、直言を恐れず、人事選考における不正を指摘し、移宮問題では賈継春と激しい論争を繰り広げました。1621年には礼科左給事中に転じ、後金（後の清）の脅威に対して、軍事に通じた人物を登用し、国防を強化するよう進言しました。また、宦官の誣告によって降格された官僚たちを擁護し、その不正を暴こうとしました。

周朝瑞は、天啓帝が親政を行わず、政治の実権が宦官に握られている現状を憂慮し、皇帝に親裁を求める上奏を行いました。しかし、当時の政権はすでに宦官たちの手に落ちており、彼の訴えは聞き入れられませんでした。1622年、広寧が失陥すると、朝瑞は講義を中止しないよう上奏し、日講は再開されることになります。さらに、大学士の沈㴶が宦官と結託していると告発し、宦官たちの不正を糾弾しました。特に、徐大化が閹党の意を受けて熊廷弼を攻撃したことに対して、周朝瑞は強く反発し、熊廷弼を弁護するために四度も上疏しましたが、閹党の反対により実現しませんでした。

1623年、周朝瑞は四川道御史となり、その後太僕寺少卿に昇進します。しかし、1624年には、かつて彼が糾弾した徐大化が復権し、魏忠賢の腹心として周朝瑞を陥れようと画策します。そして、1625年、周朝瑞は汪文言の獄に連座させられ、楊漣らと共に逮捕され、投獄されます。彼は、移宮問題で勝手な議論をしたこと、そして熊廷弼から賄賂を受け取ったという濡れ衣を着せられました。錦衣衛による拷問を受け、同年9月に獄中で息を引き取りました。

周朝瑞の死後、1628年には大理寺卿の位が追贈され、南[[明]]の福王政権下では忠毅と諡されました。彼は、その清廉潔白な生き方と、権力に屈しない勇気によって、後世の人々に尊敬されています。彼は、東林党の精神を体現する人物として、明朝末期の混乱期における正義の象徴として語り継がれているのです。

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