呼鳥門

呼鳥門：越前海岸の天然橋

福井県丹生郡越前町梨子ヶ平に位置する呼鳥門は、自然の力によって生み出された見事な天然橋です。高さ約15メートル、幅約30メートルものスケールを誇るその姿は、訪れる人々を圧倒します。

呼鳥門は、長い年月をかけて波と風の浸食作用を受けた礫岩によって形成されました。その雄大な景観は、古くから人々の心を捉え、昭和33年（1958年）、福井県道6号福井四ヶ浦線の開通を機に、当時の羽根盛一知事によって「渡り鳥を呼ぶ門」という意味を込めて「呼鳥門」と命名されました。

その後、昭和45年（1970年）には国道305号に格上げされ、平成14年（2002年）呼鳥門トンネルが開通するまでは、国道を通る全国唯一の天然トンネルとして知られていました。国道としての役割を終えた現在では、呼鳥門をくぐっていた道路は指定を外れ、安全に景観を楽しめる遊歩道として整備されています。

トンネル新設と周辺整備

越前海岸の厳しい波風にさらされている呼鳥門は、長年の風化によって岩の崩落が頻発していました。当初は道路を保護するためロックシェードが設置されていましたが、安全対策として、山側に迂回する全長394メートルの呼鳥門トンネルが建設され、平成14年（2002年）3月23日に開通しました。

トンネル開通後、呼鳥門北側は環境省と福井県によって「越前加賀海岸国定公園 呼鳥門園地」として整備され、安全な遊歩道が設置されました。同時に、不要になったロックシェードも撤去されています。一方、南側は鳥糞隧道を含め道路跡が残っていますが、安全上の理由から立ち入り禁止となっています。なお、呼鳥門直下は落石の危険があるため、注意が必要です。呼鳥門本体にも崩落防止のため金網が設置されています。

交通アクセス

呼鳥門へのアクセスは、北陸新幹線などを使って福井駅まで行き、京福バス10・15系統（越前海岸ブルーライン）「波の華」行きに乗車します。約1時間15分の乗車後、「波の華」で福井交通デマンドタクシー「ほやほや号 茱崎ルート」（要予約）に乗り換え、「水仙ランド」または「本赤坂」行きで約11分、「呼鳥門」で下車します。

周辺情報

呼鳥門の周辺には、北側にドライブイン、南側に左右（そう）の集落があります。これらの施設や集落は、呼鳥門観光の拠点として機能しており、休憩や食事、周辺散策などに利用できます。

まとめ

呼鳥門は、自然の壮大さと人間の工夫が融合した貴重な観光地です。雄大な天然橋を眺め、周辺の自然を満喫することで、忘れられない思い出を作ることができるでしょう。ただし、安全に配慮し、関係機関の指示に従って見学することが重要です。

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