礫岩

礫岩の概要

礫岩（れきがん）、英語ではコングロメレート（conglomerate）と呼ばれるこの岩石は、砕屑岩の一種です。礫岩は基本的には、砕かれた岩石の粒が堆積し、続成作用によって固結することで形成されます。通常は堆積岩として知られていますが、火道角礫岩のような特異な例も存在します。

礫岩の分類

礫岩、砂岩、泥岩は、その内部に存在する粒の大きさによって分類されます。特に、礫岩は主要な成分である粒の直径が2 mm以上のものを指します。ザックリ分けると、以下のようなサブカテゴリーに分類できます。

• - 巨礫岩（boulder conglomerate） — 径256 mm以上の粒を含む。
• - 大礫岩（cobble conglomerate） — 径64 mm以上256 mm未満の粒。
• - 中礫岩（pebble conglomerate） — 径4 mm以上64 mm未満の粒。
• - 細礫岩（granule conglomerate） — 径2 mm以上4 mm未満の粒。
• - 角礫岩（breccia） — 角張った礫が多く含まれ、堆積環境が異なります。特に石灰岩の角礫を多く含む場合は、石灰角礫岩と名前が付けられることもあります。

火山砕屑岩類

さらに、火山活動に起因する礫岩も存在します。これには以下のような種類があります。

• - 火山角礫岩（volcanic breccia） — 火山岩塊を多く含んだ火山由来の砕屑岩。
• - 凝灰角[[礫岩]]（tuff breccia） — 火山角礫岩に比べて、より多くの火山礫や火山灰が含まれています。
• - 火道角礫岩（vent breccia） — 火山の噴火後の早い段階で、火道内で溶岩の破片や周囲の岩石破片が火山灰と共に固まって形成された岩石です。この火道角礫岩は堆積岩ではなく火成岩に分類され、特にその例として岐阜県下呂市に見られる「田島火道角礫岩」が挙げられます。

礫岩の重要性

礫岩はその形成プロセスや含有する礫の特性によって、地質学的な診断や環境理解において重要な役割を果たします。また、さまざまな環境での堆積活動に関連しており、地層の形成や層序の研究でも重要な手がかりとなります。礫岩の研究を通じて、地球の歴史や動態を理解するための窓口となるのです。特に、礫岩内に含まれる化石やミネラルの研究が進むことで、過去の環境や生物の生態を探る手助けとなるでしょう。

参考文献

1. 黒田吉益、諏訪兼位「第7章 堆積岩」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年。
2. 豊遙秋、青木正博『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年。
3. 国立天文台編 編「構成粒子の径と砕セツ岩」『理科年表 平成20年』丸善、2007年。

このように、礫岩は地質学における重要な素材であり、その特性を理解することは自然環境についての理解を深める手助けとなります。

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