命の別名/糸

中島みゆきの両A面シングル『命の別名/糸』の紹介

『命の別名/糸』は、日本のシンガーソングライター中島みゆきによる35枚目のシングルで、1998年2月4日にリリースされました。このシングルは、TBSのドラマ『聖者の行進』の主題歌として使用され、二つの楽曲が相互に使われるという独特の形でのリリースとなりました。

シングルの背景

『聖者の行進』の第1話から第4話、そして第10話から第11話では「糸」が主題歌として使用され、ドラマの後半では新曲「命の別名」がこの役割を引き継ぎました。このため、シングルには「糸（TV Mix）」は収録されておらず、発売当初はカップリング扱いの曲でしたが、後にA面へ昇格しました。「糸」は1992年のアルバム『EAST ASIA』に収録された曲で、2010年代に入ると多くの支持を受けるようになり、2017年にはJASRAC賞の金賞を受賞しています。

音楽の特徴

『命の別名』は、中島みゆきが新たに書き下ろした楽曲で、国内のスタジオミュージシャンと共にレコーディングされました。この曲のアレンジには、1980年代に数多くの楽曲で中島と共演してきた後藤次利が参加し、このシングルが二人の最後の共演となりました。また、井上堯之も1992年のアルバム以来の中島の作品に参加し、特徴的なギターを演奏しています。さらに、このシングルの翌月には、25枚目のアルバム『わたしの子供になりなさい』に別バージョンが収録され、アメリカでの録音を経て新たなアプローチで再マスタリングされています。

一方の「糸」は、元々1992年に中山善司の結婚を祝うために作られた楽曲です。このパワーバラードは、レコーディングを経て同年10月に公式に発表されました。コーラスとストリングスの追加録音は後にハリウッドで行われ、この曲の魅力を高める要因となりました。これらの楽曲は数々のメディアで使用され、日本の音楽シーンで特有の位置を占めています。

収益と影響

「糸」は、2004年にMr.Childrenの櫻井和寿が関わったことにより広く知られ、その後、多くのアーティストによるカバーが登場しました。また、著作権使用量ランキングでは長年にわたって高位置を維持し続け、2018年には着うたフルとネット配信でミリオンを達成する等、数多くの記録を持っています。2020年には「糸」をテーマにした映画も公開され、これによって楽曲の認知度が一層高まりました。

現在の販売状況

現在でもこのシングルは店頭で販売され、一部のCDショップでは注文が可能です。デジタルダウンロード配信も行われており、2022年には新たに配信されるなど、時代を超えて親しまれる楽曲となっています。このように『命の別名/糸』は、中島みゆきの音楽の中で特に重要な位置を占める作品であり、その影響力や人気は衰えることなく続いています。

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