和光富士見バイパス

和光富士見バイパスについて

和光富士見バイパスは、埼玉県和光市新倉の松ノ木島交差点（東京外環自動車道和光北IC）から埼玉県富士見市下南畑の下南畑交差点（富士見川越バイパス）に至る、全長6.85kmの国道254号バイパス道路です。

概要

このバイパスは、国道254号の交通渋滞を緩和し、地域住民の生活道路としての安全性を向上させることを目的として計画されました。特に、埼玉県内の国道254号は交通量が多く、大型貨物自動車の往来も頻繁なため、バイパス建設の必要性が高まっていました。また、地域住民の生活道路としての役割も担っているため、新座市内の野火止交差点などでは渋滞や交通事故が多発していました。

路線データ

全長：6.85km
起点：埼玉県和光市新倉（松ノ木島交差点=国道298号交点）
終点：埼玉県富士見市下南畑（下南畑交差点=国道463号交点）
道路規格：第4種第1級
道路幅員：
一般部：36.0m-42.0m
橋梁部：11.9m×2
車線数：4車線（第2期整備区間は暫定3車線）
車線幅員：3.25m
設計速度：60km/h
全体事業費：約624億円

整備の背景

国道254号は、東京都文京区から埼玉県西部、群馬県南部を横断し、長野県松本市に至る広域幹線道路です。埼玉県内では「川越街道」と呼ばれ、関越自動車道や東京外環自動車道、首都圏中央連絡自動車道と連結し、物流基盤を補完する重要な役割を担っています。そのため、交通量が多く、特に新座市内の野火止交差点では渋滞が頻発していました。

このような状況を改善するため、和光富士見バイパスは、当時有料であった富士見川越バイパスと共に、国道254号の広域バイパスとして計画されました。

整備状況

バイパスは、以下の2期に分けて整備が進められました。

第1期整備区間: 和光市新倉から朝霞市上内間木まで（L=2.6km）。2010年までに暫定2[[車線]]で完成し、2020年3月31日に4車線化されました。
第2期整備区間: 朝霞市上内間木から富士見市下南畑まで（L=4.3km）。当初は地上部4車線と高架部4車線の計8車線で計画されましたが、住民の反対運動や社会・経済情勢の変化により、平面4車線に変更されました。

区間ごとの整備状況

第1期整備区間

松ノ木島交差点 - 台交差点間: 1992年11月27日に暫定2[[車線]]で開通し、2020年3月31日に4車線化されました。
台交差点 - 埼玉県道79号朝霞蕨線（新盛橋東交差点）間: 2010年4月24日に暫定2[[車線]]で供用開始。新河岸川を渡る朝霞大橋も同時に開通しました。朝霞大橋は、当初は上下線共用でしたが、4車線化により往復分離交通となりました。

第2期整備区間

2008年2月28日、道路の基本構造を平面4車線で建設することが発表され、用地取得が進められています。2023年7月末時点で、用地収得率は約96%（富士見市100%、志木市約99%、朝霞市約92%）です。
志木市内では、近隣住民の理解を深めるために、モデル工事として全長120mの道路が整備されました。
JR東日本武蔵野線との交差部については、2013年に跨線橋の予備設計業務が発注されましたが、着工には至っていません。武蔵野線との交差部は、高架式から地表式に変更する都市計画変更が行われています。
2019年には、国道254号バイパスの東京方面への延伸が発表され、国道298号と交差する松ノ木島交差点の立体交差化も計画されています。
2023年7月29日、下南畑交差点から埼玉県道40号さいたま東村山線までの区間（L=1.4km）が暫定3車線で開通しました。

沿革

1971年3月26日：富士見市で都市計画決定。
1976年6月15日：朝霞市、志木市で都市計画決定、富士見市で都市計画変更。
1980年3月11日：朝霞市で都市計画変更、和光市で都市計画決定。
1984年度：国庫補助事業として事業化。
1991年度：工事に着手。
1992年11月27日：和光市起点部 - 台交差点間を暫定2[[車線]]で供用開始。
1994年度：第1期・第2期整備区間を設定。
2001年度：新東和橋が完成。
2004年度：朝霞大橋の下部工に着手。
2006年度：第2期整備区間の説明会開催。
2007年度：朝霞大橋の上部工に着手。
2008年2月28日：志木市区間の基本構造を平面4車線とすることを公表。
2008年度：朝霞大橋の上部工が完成。
2010年4月24日：台交差点 - 県道79号朝霞蕨線間を暫定2[[車線]]で供用開始。
2012年度：志木市内にモデル道路を建設。
2017年度：第2期整備区間の志木区間を先行して着工。
2020年3月31日：1期整備区間が4車線化。
2023年7月29日：下南畑交差点 - 埼玉県道40号さいたま東村山線までの区間が暫定3車線で開通。

道路建設に対する批判

第2期整備区間では、高架・平面合わせて8車線の道路が計画されたため、騒音や環境悪化、地域分断を懸念する声が上がりました。このため、住民団体との協議やアンケート調査を経て、最終的に平面4車線に変更されました。しかし、一部住民からは環境アセスメントや地下化を求める声が根強く、未買収用地も残っています。

路線状況

主要構造物：東和橋（越戸川）、朝霞大橋（新河岸川）
交通量：新盛橋東交差点南側：7,114台/12時間（うち大型車2,652台/12時間）

効果

第一期整備区間の開通により、松ノ木島交差点 - 新盛橋東交差点間の所要時間が約16分から約6分に短縮され、埼玉県道79号朝霞蕨線花の木交差点の渋滞も緩和されました。

地理

通過する自治体：埼玉県和光市、朝霞市、志木市、富士見市
沿線の施設：新河岸川水循環センター、朝霞市立第九小学校、朝霞市クリーンセンター、内間木公園、下の宮氷川神社、志木市立宗岡第二中学校、志木市立宗岡第三小学校、せせらぎの小径、志木宗岡団地、志木市民総合センター、埼玉県富士見中継ポンプ場

接続するバイパス

（東京方面）和光バイパス - 和光富士見バイパス - 富士見川越バイパス（松本方面）

脚注

参考資料

『国道254号和光富士見バイパス パンフレット』埼玉県朝霞県土整備事務所、2023年9月。

関連項目

日本のバイパス道路一覧
関東地方の道路一覧

外部リンク

埼玉県 / 朝霞県土整備事務所
* 一般国道254号和光富士見バイパス

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