和気神社

和気神社概要

和気神社（わけじんじゃ）は、岡山県和気郡和気町にある神社で、和気氏の発祥の地に位置します。旧社格は県社であり、和気清麻呂の生誕地としても知られています。この神社は、主に四つの神々を祀っており、その中でも主神である鐸石別命（ぬでしわけのみこと）が特に重要視されています。他にも、和気清麻呂命や弟彦王、和気広虫姫命などが配神として祭られています。また、和気氏の祖先にあたる神々も合祀されています。

歴史

和気神社の起源は、和気氏の遠祖である鐸石別命を氏神として祀ったことに始まりますが、創建の具体的な年代は不明です。1591年、社殿が水害に遭ったため、現在の場所に遷座されました。1909年には、和気氏の祖先である弟彦王や和気清麻呂などが、新たに祭神として迎え入れられました。その後、近隣の神社に祀られていた他の神々も合併し、和気神社の神々はより一層豊かとなりました。

大正3年には「和気神社」と再称され、1919年には応神天皇を相殿として祀ることになりました。県社としての地位を得たこともあり、昭和天皇が岡山を訪れた際には特別な扱いを受けました。

境内の特徴

境内には、珍しい狛猪が存在しています。この狛猪は、和気清麻呂が宇佐神宮に参拝する際に護衛として役立った伝説から、その守護の象徴とされています。社殿は明治18年から建て替えられ、邑久大工による見事な建築様式が特徴的です。本殿や幣殿を含む建物は、全体として一連の作品として評価されており、和気町の文化財にも指定されています。

主要施設

• - 本殿
• - 幣殿・釣殿・拝殿
• - 天神社（天満宮）
• - 絵馬殿
• - 社務所
• - 茶室
• - 大猪殿
• - 随神門
• - 郷土芸能伝承館
• - 和気町歴史民俗資料館
• - 秋江園（社叢）

宮司と社家の系譜

和気神社の宮司を務める小森家は、和気清麻呂の末裔と伝えられています。清麻呂の姉、広虫が孤児を育てたことに由来して、「小森」姓が与えられたという伝説も残っています。これは地域の歴史と文化を今に伝える重要な要素となっています。

現地情報

和気神社は、岡山県和気郡和気町藤野1385に位置し、最寄りのJR山陽本線和気駅からタクシーで約15分の距離です。また、隣接する藤公園には日本一の藤棚があり、春には多くの観光客で賑わいます。

参考文献

• - 岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分科会/編 『新版 岡山県の歴史散歩』 山川出版社 1991年 60ページ

和気神社はその歴史や美しい境内から、訪れる人々に地域の文化と歴史を感じさせる貴重な存在です。

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