和気清麻呂

和気清麻呂（わけのきよまろ）について

概要

和気清麻呂は、奈良時代末期から平安時代初期にかけて、重要な役割を果たした貴族です。彼の父は磐梨別乎麻呂、または平麻呂とされ、備前国藤野郡に生まれました。清麻呂は多くの公務を担い、さらにはその名は後世にまで伝えられています。

経歴

清麻呂は、天平宝字8年（764年）の藤原仲麻呂の乱で孝謙上皇側に立ち、正月に勲六等を受けました。3月には藤野別真人から吉備藤野和気真人に改姓し、やがて従五位下に叙爵され、近衛将監に任命されました。特別に50戸の封戸も与えられました。

神護景雲3年（769年）、道鏡を皇位に就けるよう神託を受けた中臣習宜阿曾麻呂の伝言を受けて、清麻呂は宇佐八幡宮に赴くこととなります。道鏡は、清麻呂が良い情報を持ち帰ると約束し、彼を懐柔しようとしましたが、清麻呂は忠義のため、その命令に従いました。

宇佐八幡宮では、神が託宣を拒んだため、清麻呂は再度の確認を求めました。すると、大神が現れ、「道鏡は無道の人であり、その皇位に就けてはならない」との託宣が降りたのです。清麻呂はこの託宣を持ち帰り、称徳天皇に報告しましたが、道鏡は激怒し、清麻呂を因幡員外介に左遷し、さらには大隅国に流刑にしました。

復帰と政治手腕

天皇が崩御した後に道鏡が失[[脚]]すると、清麻呂は大隅国から呼び戻され、翌年に従五位下に復位しました。その後、播磨員外介として官界に復帰し、さらには多くの事績を上げました。

清麻呂は、延暦7年（788年）に備前国の河川問題を解決するための提案を行い、新たな役所を設置する許可を得ました。また、桓武天皇の即位に伴い急速に昇進し、民部省の官僚ともなりました。

清麻呂は長岡京から平安京への遷都を進言し、彼自身も建設事業に尽くしました。延暦9年（790年）には正四位下、延暦15年（796年）には従三位に昇進し、公卿の地位にまで達しました。

晩年と死

そして、延暦18年（799年）に薨去。享年67歳。最終官位は従三位行民部卿兼造宮大夫、美作備前国造でした。死後、正三位の位階を贈られました。

後世への影響

江戸時代末期、和気清麻呂の功績を称え、孝明天皇から神階正一位を賜ります。また、明治時代には、彼を祀る護王神社が設立され、その後も彼の業績は多くの人々に敬意を表されました。特に彼の生誕地である岡山県和気町では、和気神社が彼とその家族を祀っています。

伝説と象徴

清麻呂には神秘的な伝説も多く、彼が猪に導かれて神社へ赴いた際の話などがあります。これにより、彼が祀られる神社では、狛犬の代わりに「狛猪」が置かれることが習慣化しました。

彼は勤皇の忠臣とも見なされ、十円紙幣に肖像が印刷されるなど、その名は現代に至るまで語り継がれています。清麻呂の功績や影響は、今なお日本の歴史の中で重要な位置を占めています。

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