和泉容

和泉容（Be-B）：90年代を駆け抜けた女性ロックシンガー、その軌跡と現在

和泉容（いずみ よう）は、1990年代に「Be-B（ビービー）」として一世を風靡した女性歌手です。アイドル的なデビューから、ロック、J-POPへと音楽性を進化させ、数々のヒット曲を世に送り出しました。現在は、ハードロック流しとして「Be-B（和泉容）」名義で活動を続けています。

バンド活動からソロデビューへ

1968年9月7日生まれの和泉容は、中学時代にバレー部に所属する傍ら、兄の友人らとバンドを組み音楽活動をスタートさせました。高校時代にはフォークソング部に所属し、学園祭やポプコンへの出場など精力的に活動。高校3年の冬には歌手として上京することを決意し、飲食店での住み込みの仕事を経て、20歳からフリーター生活を送りながら歌唱の練習に励みました。その努力が実を結び、音楽プロデューサーに見出され、Be-Bとしてテイチクよりメジャーデビューを果たします。

Be-Bとしての成功と苦悩

1994年、1stシングル「真夏の愛YAIYAI!」でアイドル歌手としてデビューしたBe-Bでしたが、2ndシングル「憧夢〜風に向かって〜」からロック、J-POPの要素を取り入れた楽曲を歌うようになります。「憧夢〜風に向かって〜」はドラマの主題歌となり60万枚を売り上げ、オリコン10位を記録しました。第36回日本レコード大賞新人賞、日本ゴールドディスク大賞ベスト5ニュー・アーティスト賞を受賞するなど、その人気を不動のものとしました。

しかし、当時は自身の作詞・作曲はなかなか採用されず、事務所が用意した楽曲を歌うだけの状態が続きました。そのため、歌唱印税などの収入はごくわずかであり、全盛期でも年収は1000万円に届かなかったそうです。

Be-Bの名前の由来は、「Bになる」という意味のBecomeからきており、「BIG, BEAUTIFUL」などの言葉や、尊敬するBON JOVIのヴォーカリスト、ジョン・ボン・ジョヴィの名前にちなんで名付けられました。

1995年には、BON JOVIの来日ライブ後の打ち上げパーティーに、日本人アーティストとして唯一招待され、ジョン・ボン・ジョヴィとのツーショット写真がファンクラブ通信に掲載されるなど、親交を深めました。

活動休止、そして新たなスタート

11枚のシングル、3枚のアルバム、2枚のベストアルバムを発表後、1997年にWEAへ移籍し、芸名を和泉容に変更。2枚のシングルと1枚のアルバムを発売しましたが、ストレスから体調を崩し、1999年に活動を休止しました。その後、結婚、出産を経験しますが、歌手活動の再開を巡って離婚。2003年にはインディーズよりアルバム『Medium』を発表し、その後もライブなどの音楽活動をBe-B（和泉容）名義で行っています。

2016年頃からは、いわゆる「流し」としての活動を本格化させ、新宿ゴールデン街を中心に活動しています。

受賞歴

1994年 - 第36回日本レコード大賞新人賞
1995年 - 第9回日本ゴールドディスク大賞 ベスト5ニュー・アーティスト賞

テレビ・ラジオ出演

『ミュージックステーション』（テレビ朝日）
『ポップジャム』（NHK）
『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』（フジテレビ）
『家、ついて行ってイイですか?』（テレビ東京）
『MIDNIGHT ROCK CITY』（NACK5）
『Be-BのHeartful Wave』

ディスコグラフィー

シングル
アルバム
* ベストアルバム

3rdアルバム「Be-B III」と海外ミュージシャンとの共演

3rdアルバム「Be-B III」は、ボン・ジョヴィや1980年代のハードロックの影響を受けたBe-Bが、LAとNYで海外の有名ミュージシャンとレコーディングを行った意欲作です。トレイシー・ガンズ（元ガンズ・アンド・ローゼス）、アル・ピトレリ（元メガデス）など、錚々たるメンバーが参加し、彼女のハードな一面を引き出しています。

現在の活動

2018年には、『家、ついて行ってイイですか?』に出演し、Be-B時代からメジャーレーベル引退、結婚、離婚を経て、現在のライブ中心の音楽活動、8か国語を歌えるハードロック流しとしての生活ぶりを紹介しました。Be-B（和泉容）として、過去の栄光に縋ることなく、新たな音楽の道を切り開いています。

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