アル・ピトレリ

アル・ピトレリ（Al Pitrelli、1962年9月26日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク市出身のロックミュージシャンであり、卓越したギタリストとして知られています。特にハードロック/ヘヴィメタルの分野でその才能を発揮し、「エイジア」「サヴァタージ」「メガデス」といった著名なバンドに在籍し、世界中の音楽ファンを魅了してきました。

バークリー音楽大学を中退後、アル・ピトレリはセッションミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせました。マンハッタンでギター講師として生計を立てながら、音楽活動を続け、マイケル・ボルトンのサポートを務めたことを機に、様々なアーティストのサポートを中心に本格的な音楽活動を開始します。1989年から1991年までアリス・クーパーのバックバンドに在籍し、その実力を高く評価されました。

1992年、アル・ピトレリは「エイジア」に正式メンバーとして加入し、アルバム『Aqua』の制作に参加。彼のギタープレイは、バンドの音楽性に新たな風を吹き込みました。また、同時期には元トゥイステッド・シスターのヴォーカリスト、ディー・スナイダーのバンド「ウィドウメイカー」でも活動するなど、その活動は多岐に渡りました。

その後、アル・ピトレリは、交通事故で亡くなったクリス・オリヴァの後任として、「サヴァタージ」に加入。クリス・キャファリーと共にバンドを支え、その音楽性をさらに発展させました。また、長年の友人であるポール・オニールが立ち上げた「トランス・シベリアン・オーケストラ」にも参加し、彼の音楽キャリアに新たな章を加えました。

2000年、デイヴ・ムステインの誘いを受け、アル・ピトレリは「メガデス」に加入。脱退したマーティ・フリードマンの後任として、その重責を担いました。サヴァタージを脱退し、メガデスに専念。アルバム『ワールド・ニーズ・ア・ヒーロー』のレコーディングにも参加しましたが、デイヴ・ムステインの肘の故障により、バンドは活動休止を余儀なくされました。

メガデス活動停止後、アル・ピトレリは再び幅広い音楽活動を展開。「ジョー・リン・ターナー」「セバスチャン・バック」といったHR/HMアーティストのサポートは勿論のこと、ポップ・ミュージック、フュージョン、アダルト・コンテンポラリーなど、ジャンルを超えた様々なアーティストやバンドのサポートを行いました。

2014年、「サヴァタージ」が本格的に活動を再開することになり、アル・ピトレリは再びバンドに復帰。彼の復帰は、多くのファンを歓喜させました。

アル・ピトレリは、そのキャリアを通じて様々なギターを使用してきました。「ギブソン・エクスプローラー」「ギブソン・SG」「フェンダー・ストラトキャスター」「ギブソン・EDS-1275」などのカスタムモデルを愛用。近年では、希少なアンペグ製「ダン・アームストロング」のリイシュー・モデルを使用するなど、常に新しいサウンドを追求しています。

アル・ピトレリの音楽的才能は、数多くのアルバムやプロジェクトで確認できます。ソロ/プロジェクトとしては、「コーヴェン/ピトレリ/オライリー（CPR）」、「プレイス・コールド・レイジ」、「O'2L」などがあります。また、「デンジャー・デンジャー」「ランディー・コーヴェン」「ダニー・オズモンド」「アリス・クーパー」「ウィドウ・メーカー」「エイジア」「サヴァタージ」「トランス・シベリアン・オーケストラ」「メガデス」など、数多くのアーティストの作品に参加しています。

アル・ピトレリは、その卓越したギターテクニックと幅広い音楽性で、多くの音楽ファンを魅了し続けています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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