和田喜八郎

和田喜八郎の生涯とその影響

人物および来歴

和田喜八郎（1927年 - 1999年）は、日本の古物商であり、特に自称「発見者」として知られる『東日流外三郡誌』や『東日流六郡誌』に関連する和田家文書で注目を浴びました。彼の経歴は、彼自身の言葉によれば、1944年に陸軍中野学校に入学後、海軍へと転籍したとのことです。しかし、この取り組みは陸軍中野学校の関係者によって否定され、後には語ることもなくなりました。

1949年、和田は炭焼き窯を作成している最中に偶然古い仏像や文書を発見しました。その後も、金光上人に関する仏具を見つけたものの、その発見は多くの疑問を呼びました。1948年には自宅の改装中に天井裏から多数の古文書が落下し、これが和田家文書の始まりとされています。

この文書は、1789年から1822年までの34年間に、陸奥国三春城主の義理の子である秋田孝季と和田喜八郎の先祖、和田吉次によって収集・編纂されたもので、後に和田末吉によって写本化されました。その資料の量は600巻以上に及びます。

文書の発展と論争

1975年から1977年にかけて『市浦村史』が刊行され、これには和田家文書に基づく資料が含まれています。しかしこの文書の真偽を巡って、古田武彦と安本美典の間で激しい論争が巻き起こりました。古田は文書を真実として支持し、安本はそれが偽書であると主張しました。

1979年から1983年まで和田は青森県警友会の会員であったものの、彼の背景に関しても疑問がささやかれ、無銭飲食の容疑で逮捕されたこともあり、彼の主張に疑念が生まれました。1999年、和田は『東日流外三郡誌』の原本を公開せずに死去しました。死後、和田家文書の徹底的な調査が行われましたが、肝心の原本は発見できず、むしろ文書を古びたものに見せるための薬剤が見つかり、偽書である可能性が高まったのです。

古田武彦との関係

古田武彦は、当初『東日流外三郡誌』に懐疑的でしたが、和田との会合を通じて文書に含まれる記述が自身の理論に関連することを発見し、次第にその魅力に取りつかれました。彼は文書を用いて「東北王朝説」という新たな理論を提唱することになります。ただし、原本が公開されない限りその真実は確かではないとし、和田の評価は分かれました。

著書とその影響

和田喜八郎は、以下の著書を残しています。

• - 『知られざる東日流日下王国』
• - 『東日流六郡語部録』

これらの著作は、和田家文書に基づいた詳細な研究がなされています。

結論

和田喜八郎の人生は、歴史的な文書の発見者としての評価を受けつつも、その真偽については多くの疑問を残しました。彼が古文書を制作した背景や理由、そして彼の死後に招かれた論争は、日本の歴史研究における重要な位置を占めています。和田喜八郎の目指した真実は、今なお探求され続けています。

もう一度検索