和田堀公園

和田堀公園

和田堀公園は、東京都杉並区に位置する都立公園であり、善福寺川に沿って東西に細長く広がっています。この公園は、単なるレクリエーションの場としてだけでなく、水害対策のための調節池や、地域の防災拠点としての重要な役割も担っています。

公園の概要

公園内には12の橋が架かり、善福寺川の蛇行に沿って公園が形成されています。この地域は地盤が低く、過去には善福寺川の氾濫が繰り返されてきた歴史があります。そのため、公園内には水害対策として和田堀公園調節池が整備されています。1933年には風致地区に指定され、その後、娯楽施設としてボート池や釣り堀が作られました。戦後には、都立公園として再整備され、現在では隣接する善福寺川緑地と合わせて、武蔵野の自然と調和した景観が広がっています。公園全体が東京都の防災公園（大規模救出活動拠点）に指定されており、災害時には重要な役割を果たします。

公園の特長

公園の西端には白山前橋があり、そこから上流には善福寺川緑地が続いています。この緑地帯は、和田堀公園と一体化し、連続性のある空間を形成しています。周辺には大宮八幡宮の境内林があり、杉並区内でも特に緑豊かな地域となっています。公園内の樹林は東京都の保護樹林に指定されており、自然環境が保護されています。また、カワセミやジョウビタキ、ウグイスなど、希少な野鳥の観察地としても知られ、バードウォッチングを楽しむ人々が多く訪れます。春には桜が咲き誇り、多くの人々が花見に訪れる名所となっています。

公園内の施設

和田堀公園には、野球場、陸上競技場、テニスコート、バーベキュー広場、サイクリング広場など、多様なスポーツ施設が整備されています。野球場は、善福寺川の増水時には調整池としての機能も持ち、災害時には避難場所としても利用されます。陸上競技場はヘリポートとしても利用可能で、災害時の緊急活動拠点としての役割も担います。公園内には、応急給水槽、防火水槽、災害対応トイレ、ソーラー発電街灯、かまどなどの防災設備も設置されており、災害時にも対応できる体制が整えられています。

和田堀公園調節池

善福寺川の治水対策として、公園内には複数の調節池が設けられています。初期には暫定的な調節池が作られ、その後、より大規模な和田堀公園調節池が建設されました。この調節池は、洪水時に一時的に水を貯めることで、下流への被害を軽減する役割を果たします。以前はテニスコートや壁打ちテニス練習場として利用されていた場所も、調節池の拡張工事に伴い、その役割を終えることになります。2005年の集中豪雨による浸水被害を教訓に、調節池の機能強化が進められました。

歴史

和田堀公園は、1964年（昭和39年）8月1日に公園として開園しました。その後、2010年には旧富士銀行済美山グラウンドが公園の一部として整備され、運動施設が拡充されました。2022年には、和田堀公園調節池が完成する予定です。

橋

公園内には以下の12の橋が架かっています。

白山前橋
大成橋
御供米橋
八幡橋
宮下橋
宿山橋
大宮橋
宮木橋
大松橋
二枚橋
済美橋
武蔵野橋

主な施設

広場
野球場（調整池）
テニスコート（ハードコート、調整池）
壁打ちテニスコート（調整池）
陸上競技場（ヘリポート）
大宮遺跡などの弥生時代の遺跡
松ノ木遺跡などの縄文時代弥生時代古墳時代の遺跡
和田堀池
善福寺川緑地（隣接）
杉並区立郷土博物館（隣接）
大宮八幡宮（隣接）

その他

2005年の集中豪雨では、杉並区と中野区の一部で大規模な浸水被害が発生しました。この被害を受けて、善福寺川と妙正寺川の治水対策工事が行われています。工事に伴い、一部の遊歩道や橋が閉鎖されています。また、工事のために、善福寺川沿いの桜並木が伐採される可能性があり、都内有数の桜の名所が危機に瀕しているという懸念も出ています。

なお、練馬区にも同名の公園がありますが、こちらは別の施設です。

アクセス

京王井の頭線「永福町駅」下車徒歩15分
京王井の頭線「西永福駅」下車徒歩15分
東京メトロ丸ノ内線「方南町駅」下車徒歩20分
* 関東バス・京王バス「都立和田堀公園」下車

公園は常時開園しており、入園は無料です。駐車場（有料）も完備されています。野球場、テニスコート、バーベキュー施設を利用する際は、事前に予約が必要です。また、河川の増水や緊急避難時には、これらの施設は利用できなくなる場合があります。

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