須磨駅

須磨駅：神戸の海と歴史を繋ぐ駅

須磨駅は、兵庫県神戸市須磨区に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）山陽本線の駅です。JR神戸線愛称区間にも含まれ、駅番号はJR-A68。普通列車と電車線経由の快速列車が停車する、地域住民にとって欠かせない交通の要衝となっています。

歴史：明治時代から続く駅舎

須磨駅の起源は古く、1888年（明治21年）11月1日、山陽鉄道兵庫駅～明石駅間の開通に伴い開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱っていました。その後、1906年（明治39年）の山陽鉄道国有化を経て、1909年（明治42年）には山陽本線に所属。1934年（昭和9年）には、吹田駅から順次電化され、近代化が進みました。

戦後、1947年（昭和22年）に車扱貨物を取り扱うようになり、1949年（昭和24年）に貨物取扱いは廃止されました。1963年（昭和38年）には駅舎の改築が行われ、1985年（昭和60年）には荷物扱いが廃止されました。

国鉄分割民営化（1987年4月1日）によりJR西日本の駅となり、1988年（昭和63年）3月13日には「JR神戸線」の愛称が使用開始されました。1995年（平成7年）の阪神・淡路大震災では営業休止を余儀なくされましたが、迅速な復旧作業を経て営業を再開しました。

その後、JR神戸線標準接近メロディ「さざなみ」の導入（1997年3月8日）、自動改札機の設置（1997年11月6日）、ICOCA利用開始（2003年11月1日）など、時代の変化に合わせて様々な設備の改良が行われてきました。駅ナンバリングも2018年（平成30年）3月17日から導入されています。

駅構造と運用：効率的な運行システム

須磨駅は橋上駅で、相対式2面4線の島式ホームを有しています。電車線のみのホームで、列車線（運転上5・6番線）にはホームはありませんが、場内・出発信号機は設置されています。改札口は1ヶ所のみです。快速電車の停車に対応するため、有効長は約250m（12両編成分）と長くなっています。

2・3番線が本線、1・4番線が副本線という構成です。基本的には2・3番線に列車が停車しますが、快速の接続待ちなど、状況に応じて1・4番線も使用されます。

日中の普通列車の運行形態は、歴史的に変化しています。かつては新快速が電車線を走行していた時代もあり、すべての各駅停車が須磨駅で通過待ちをすることもありました。その後、駅折り返し列車の増減や、運行系統の見直しなど、利用状況や運行効率を考慮した柔軟な対応がなされています。現在では、1・2番線と3・4番線の使い分けを工夫することでスムーズな運行を実現しています。近年は、摩耶駅開業によるダイヤ変更なども影響を与えています。

ダイヤと利用状況：多くの利用者

日中時間帯は1時間に12本（快速4本、普通8本）の列車が停車します。朝夕は本数が増え、折返し列車は設定されていません。平日の朝は、快速が西明石駅から列車線を走行するため、三ノ宮・大阪方面行きは普通電車のみとなります。

2022年度の1日平均乗車人員は9,866人です。

駅周辺：海と街の賑わい

駅周辺には神戸市バスの路線が多数乗り入れており、須磨海岸や周辺地域へのアクセスが容易です。夏期には海水浴客でにぎわい、駅構内では水着姿の人を見かけることも珍しくありません。

また、駅周辺には須磨浦商店街があり、地元住民の生活を支えています。夜間には、須磨海岸寄りから神戸空港の航空機の発着を見ることができる絶好のスポットでもあります。

歴史的な出来事としては、1967年（昭和42年）の水害による浸水や、1975年（昭和50年）に発生した、乗客救助のために殉職された車掌を称える碑などが、駅の周囲に存在しています。

さらに、須磨駅～塩屋駅間のカーブは「スマシオカーブ」として鉄道ファンの間で知られており、撮影スポットとしても人気です。

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