咥内停留場

咥内停留場（こうないていりゅうじょう）

咥内停留場は高知県高知市朝倉にある、とさでん交通の伊野線に属する路面電車の停留場です。この停留場は、高知市といの町の境界を形成する咥内坂に位置しており、隣接する宇治団地前停留場との間は坂を越えて接続しているため、両者の距離はとさでん交通の停留場の中では最も長い892メートルになっています。

歴史

咥内停留場が設置された背景については、伊野線が土佐電気鉄道によって1904年に堀詰から乗出まで開通したことにさかのぼります。当初の延伸が進む中、1907年に咥内まで路線が延び、ここで停留場が開設されました。その後、咥内から伊野方面へ進むには咥内坂を越える必要があり、先に枝川から伊野までの区間が開通しました。咥内から枝川までの区間は1908年に開通し、これで伊野線は全通を果たしました。

当時、咥内停留場から出発した電車は土讃線のガード下を通過した後、急カーブを経てトンネルに進入しました。このトンネルは狭く、ボギー車が通行できないため、この部分で停留場はボトルネックとなっていました。1960年にこのトンネルが撤去され、坂の前後3キロメートルにわたって道路と軌道の改良工事が行われ、軌道が新たに移設され、道路の北側を並走する形に変更されました。

年表

• - 1907年9月16日: 鏡川橋から当停留場までの区間が開通し、土佐電気鉄道の停留場として開業。
• - 1908年2月20日: 咥内停留場と枝川の間が接続され、伊野線が全通。これにより、咥内停留場は途中駅となる。
• - 1960年9月30日: 咥内坂トンネルが撤去され、停留場の軌道が新線に移設。
• - 2014年10月1日: 土佐電気鉄道が高知県交通と経営統合し、とさでん交通が発足。これにより、咥内停留場はとさでん交通の停留場となる。

停留場の構造

咥内停留場は2面のホームを持ち、東西の方向に伸びる単線の軌道を挟み込む形で設置されています。各ホームは向かい合っており、北側にははりまや橋方面行きのホームが、南側には伊野方面行きのホームがあります。安全地帯ははりまや橋方面の方が広めで、待合室も完備されています。新線に移設される前は、列車交換のための施設も存在していました。

周辺の情報

咥内停留場の西側では土讃線が交差しており、その先には高知自動車道が横たわっています。ここが咥内坂の頂上で、そこから隣の宇治団地前停留場にかけて29パーミルの急勾配に下っていきます。この区間は県道と並走する形で整備されており、掘割の中を進む風景が広がっています。

このような特性を持つ咥内停留場は、高知市の重要な交通拠点の一つとして、地域住民にとって欠かせない存在となっています。

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