哀愁のページ

哀愁のページ

「哀愁のページ」（あいしゅうのページ）は、日本の歌手、南沙織がキャリア5作目にあたるシングルとして、1972年9月21日にCBS・ソニーから発売した楽曲です。

楽曲の概要と背景

A面曲の「哀愁のページ」は、作詞を有馬三恵子が手掛け、作曲と編曲は筒美京平が担当しました。約3分弱のこの楽曲は、特にイントロ部分に印象的な英語のセリフが挿入されているのが特徴です。

B面には「美しい娘たち」が収められています。こちらの作詞は土橋正之と有馬三恵子の共作、作曲・編曲はA面と同じく筒美京平によるものです。この「美しい娘たち」は、当時の人気雑誌『平凡』で募集された歌詞を基に制作された、いわゆる「募集歌」として知られています。

シングル盤の初回プレスなどには、特典としてミニ写真集が封入されていました。この写真集には、南沙織がアメリカ本土を訪れた際に撮影されたスナップや、シングルジャケットの撮影時に使用されなかった別カットなどが収録されており、ファンにとって貴重なアイテムでした。

「哀愁のページ」は、南沙織にとって特別な一曲としても語り継がれています。発売当時、音楽プロデューサーである酒井政利氏から「この曲ならばシングルチャートで1位を狙える可能性がある」と伝えられた南沙織自身が、自身の長い歌手活動の中で、この曲ただ一つだけ、楽曲の売上や順位を意識したと後に明かしています。

アルバム収録

A面曲の「哀愁のページ」は、シングル盤と同日である1972年9月21日に発売された同名アルバム『哀愁のページ』にも収録されています。このアルバムは、洋楽オールディーズのカヴァーを中心とした内容で、シングル曲はアルバムの冒頭1曲目に配されました。

また、続くオリジナルアルバム『早春のハーモニー』（1972年12月21日発売）にも、再び1曲目として収録されています。しかし、こちらのバージョンは、シングル盤や同日発売アルバムに収録されたものとはアレンジが異なり、イントロの英語のセリフも変更された別テイクとなっています。

発売以降、「哀愁のページ」は南沙織の代表曲として、数多くのアルバムに収録されてきました。オリジナルアルバム、ベストアルバム、ライブアルバム、企画盤、CD-BOXなど、様々な形態で再録され、その都度多くの音楽ファンに届けられています。特にベストアルバムでは、年代を問わず高い頻度で収録リストに含まれる楽曲の一つです。

代表的な収録作品としては、以下のものが挙げられます（一部抜粋）。

哀愁のページ (アルバム)
早春のハーモニー (別バージョン収録)
Cynthia Memories
GOLDEN J-POP/THE BEST 南沙織
CYNTHIA ANTHOLOGY (複数のライブバージョンやB面曲「美しい娘たち」も収録)
GOLDEN☆BEST 南沙織 筒美京平を歌う
ドーナツ盤型12cmCDコレクション
Cynthia Premium (別バージョン、インストゥルメンタル、B面曲も収録)
ゴールデン☆アイドル 南沙織 (B面曲も収録)
THE HIT MAKER -筒美京平の世界- (作曲家 筒美京平の業績を記念したCD-BOX)
* Good-bye Cynthia (ライブバージョン収録)

B面曲の「美しい娘たち」も、上記リストの一部アルバム、特にベスト盤や企画盤などに収録されることがあります。

文化的側面

この楽曲がリリースされた1972年は、南沙織が天地真理、小柳ルミ子と共に「新三人娘」として一世を風靡していた時期にあたります。「哀愁のページ」は、その人気を確固たるものにした楽曲の一つと言えるでしょう。また、楽曲のタイトルや雰囲気から、秋の季節感を連想させるとして、秋をテーマにしたコンピレーションアルバムに収録されることもあります。作曲者の筒美京平のキャリアにおいても重要な楽曲の一つとして位置づけられています。

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