品川伊氏

品川 伊氏（しながわ これうじ）

品川伊氏は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した高家旗本です。彼は高家肝煎を務め、1500石まで加増されるという成功を収めました。その生涯は政治や歴史の重要な出来事と関わりを持ち、特に赤穂事件への関与が注目されています。

生い立ちと家族背景

寛文9年（1669年）、伊氏は上総国佐貫藩の2代藩主、松平重治の次男として生まれました。彼は、父方の祖父である高家旗本・品川高如の養子となり、重要な家督を担うことになります。寛文11年（1671年）7月8日、養父の死によってわずか3歳で家督を相続しました。これにより、伊氏は若くして意思決定の中心に立たされることとなりました。

彼が11歳のときの延宝4年（1676年）には、4代将軍・徳川家綱に御目見し、政界での活動が始まります。食卓での儀式や重要行事に参加する中で、彼は徐々にその名を認められていきました。

政治活動と高家職への任命

元禄元年（1688年）には高家職に就任し、同年12月には従五位下・侍従に叙任されて豊前守と称しました。伊氏のキャリアは、単なる名誉職に留まることはありませんでした。元禄10年（1697年）、幸子女王の入内に際して、副使として上洛し、地位を固めました。彼は緊迫した状況の中でも冷静に行動し、評価される存在となります。

赤穂事件とその後

元禄14年（1701年）3月、彼は注目を集める赤穂事件の現場に居合わせました。この事件では、赤穂藩主の浅野長矩が高家肝煎の吉良義央に斬りつけた際、伊氏は吉良の補佐役として負傷した吉良を運ぶ役割を果たしました。この出来事は、後の彼の人生に大きな影響を与えました。

事件の後、伊氏は畠山基玄と共に高家肝煎としての職務を引き継ぎ、重要な職務を果たしました。彼はその後も政治的に栄える時代を迎え、宝永5年（1708年）には上洛する機会が与えられ、従四位上に昇進します。このように、彼は幕府の重鎮として活躍し続けました。

最期の時と家族

最終的に、宝永7年（1710年）には合計1500石の領地を持っていた伊氏は、正徳2年（1712年）9月22日に44歳でこの世を去りました。彼の死後もその名は覚えられ、子孫が続いていくことになります。彼の家族は、父松平重治をはじめ、正室や側室との間に多くの子をもうけ、特に長男の今川範高は今川氏の末期養子として重要な役割を果たしました。

参考文献と文化的な影響

伊氏に関する情報は、『寛政重修諸家譜』の巻第九十四に収録されており、後世にわたって彼の存在は語り継がれています。また、彼に関するエピソードはドラマ『元禄太平記』でも描かれ、演じた俳優の星野富士男はその名を広めました。このように、品川伊氏は歴史に名を刻んだ人物として、多くの人々に影響を与え続けています。

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