品田山

品田山（しなだざん）は、台湾の台中市和平区と新竹県尖石郷の境界に位置する標高3,524mの山です。雪覇国家公園に属しており、豊かな自然に囲まれています。

概要

品田山は分水嶺となっており、北側には台湾三大河川の一つである淡水河、南側には大甲渓の源流があります。この山は台湾百岳の中で24位にランクインし、「十俊」の一つとしても知られています。また、「武陵四秀」の中では最も標高が高い山です。天候に恵まれた日には、山頂から桃園市や亀山島などの美しい景色を望むことができます。

名称の由来

品田山は、かつてタイヤル族の狩猟場でした。部族の人々は、この山を「最後の水池」を意味する「b'bu' Pucing Bsilung」と呼んでいました。これは音訳されて「波秦西崙山」とも呼ばれます。志佳陽群では「Babo Taragayun」や「rgyax Traka」とも呼ばれており、日本統治時代にはカタカナで「バボー・タラガユン」と表記されていました。タイヤル語では「Yebulan」と呼ばれ、品田山と池有山の間には「Yebulan Smta」と呼ばれる草原が広がっています。この草原で最も大きな池は「bsilung Smta」と呼ばれており、現在は「新達池」と音訳されています。

景観の特徴

品田山は、東西に細長い形状をしており、南北は断崖になっています。南面には「品田皺摺」と呼ばれる特徴的な褶曲地形が見られます。西側で折りたたまれた地形は「品田断崖」と呼ばれ、聖稜線の中でも難所として知られています。また、品田前峰と主峰の間には「品田前峰断崖」があり、これもまた褶曲地形のくぼんだ場所であり、難易度の高い箇所です。

日本統治時代には、布秀蘭山から見た品田山の山容が地獄のように見えたことから、品田山を「赤鬼」、穆特勒布山を「青鬼」と呼んでいたという記録も残っています。これらの名称は、当時の人々の山に対する畏怖の念を表していると言えるでしょう。

品田山は、その美しい景観と地形的な特徴から、多くの登山者に愛される山です。登山ルートは複数あり、難易度も様々ですが、いずれのルートも山頂からの絶景は一見の価値があります。特に、稜線から見渡せる景色は、訪れる人々を魅了します。

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