淡水河

淡水河について

淡水河は、台湾北部を悠々と流れる、台湾を代表する河川の一つです。台湾三大河川に数えられ、その流域面積は台湾で3番目の規模を誇ります。この川は、大漢渓と新店渓が板橋の江子翠で合流する地点から、淡水油車口の河口までを指します。

豊かな水源

淡水河は、北部地域の重要な水源としての役割を担っています。大漢渓の上流には石門ダムが建設され、新店渓の支流である北勢渓には翡翠ダムが、そして基隆河流域には新山ダムが設けられています。これらのダムは、安定的な水の供給を支え、地域の生活や産業を支えています。

主要な支流

淡水河には、いくつかの主要な支流が流れ込んでいます。

基隆河：新北市平渓区の菁桐坑を源流とし、瑞芳区を東北東に流れた後、基隆市暖暖区付近で西向きに流れを変えます。その後、汐止区を経由して台北盆地に流れ込みます。
大漢渓：雪山山脈の布秀蘭山と品田山の間に源を発します。流域の一部は塔克金渓とも呼ばれ、復興郷で大漢渓と名称を変え、西へと流れます。三光渓と合流した後、石門ダムへと注ぎます。鳶山堰の下流は板新浄水場の水源となっており、江子翠で東に流れを変え、社子で基隆河と合流します。
* 新店渓

水運の歴史

淡水河は、川幅が広く、流れも穏やかなため、古くから水運に利用されてきました。この川とその支流である大漢渓、新店渓、基隆河は、先住民のケタガラン族や大陸から渡ってきた漢族が住みやすい地域を確保する上で重要な役割を果たしました。水運の発達は、流域の拠点に市街地を形成し、淡水港の対外貿易や台北の都市発展に貢献しました。

日本統治時代には、淡水河は水深が深く、船舶の航行に支障がなかったため、沿岸の集落間の移動や貿易に盛んに利用されました。明朝から清朝初期にかけては、基隆河の水運が淡水河から暖暖まで通じ、そこから陸路で基隆へ物資が運ばれていました。清朝末期には、基隆河は基隆と錫口間の水運を担い、大稲埕への物資と人員輸送に重要な役割を果たしました。また、清朝時代には、大漢渓の水運は大渓（現在の桃園市）まで達していました。しかし、その後の環境変化や淡水河への土砂の堆積により、水運は徐々に衰退していきました。

現在の水運

現在、淡水河の水運は、大稲埕碼頭と関渡碼頭に集中しており、淡水区と八里区の間を結ぶ渡船が、両岸住民の往来を支えています。

水上バス

現在、淡水河エリアでは、台北市政府交通局公共運輸処が管轄する「藍色公路（水上バス）」と、新北市政府交通局が管轄する「新北市水上巴士」が運航しています。これらの水上バスは、市民の足として、また観光客の移動手段として利用されています。

まとめ

淡水河は、その豊かな水資源と水運の歴史を通じて、台湾北部の発展に大きく貢献してきた重要な河川です。現在も、水上バスの運航を通じて市民の生活を支え、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。

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