唐澤鹿男

唐澤鹿男（からさわ しかお）は、1906年（明治39年）3月20日に長野県上伊那郡に生まれた、昭和期の台湾総督府に勤務した官僚です。彼の生没年は正確にはわかっていません。

経歴

唐澤鹿男は、長野県で生まれ、旧制松本高等学校を経て、1932年（昭和7年）に東京帝国大学経済学部を卒業しました。卒業後、すぐに台湾総督府に採用され、金融課に配属されました。その後、官房審議室での勤務を経て、1942年（昭和17年）8月には地方理事官に昇進し、高雄州恒春郡の郡守に任命されました。

台湾総督府での勤務は、金融政策や地方行政の中枢を担い、彼のキャリアにおける重要な部分を形成しました。戦後は、長野県に戻り、長野県出納長として地方行政に携わりました。この職は、県の財政を管理する重要な役割であり、彼の行政官としての経験が活かされたと考えられます。

唐澤鹿男の人物像は、東京帝国大学という当時最高学府を卒業したエリート官僚でありながら、地方行政にも深く関わったという、多面性を持った人物であったと言えるでしょう。台湾での行政経験は、戦後の長野県での職務にも影響を与えたと考えられます。

参考文献

興南新聞社 編『台湾人士鑑』呂霊石、1943年。
この文献は、唐澤鹿男が台湾総督府で勤務していた当時の人物情報をまとめたもので、彼の官僚としての活動を理解する上で重要な資料となります。
『長野県議会沿革史 第18編 上巻 (昭和42年4月-昭和44年3月)』長野県議会、1973年。
この文献は、唐澤鹿男が戦後に長野県出納長を務めた時代の記録であり、彼の地方行政における業績を知る上で有益です。

これらの文献を通じて、唐澤鹿男が台湾総督府の官僚として、また戦後の地方行政官として、それぞれの時代において重要な役割を果たしたことがわかります。彼の生涯は、昭和期の官僚制と地方行政の変遷を研究する上で、貴重な事例を提供しています。

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