喜多見

喜多見（きたみ）

喜多見は、東京都世田谷区の砧地域に位置する町名で、一丁目から九丁目まであります。かつては北多摩郡砧村の大字でしたが、1936年に東京市へ編入され、世田谷区の一町名となりました。

地理

喜多見は世田谷区の西部に位置し、南北に細長い地形をしています。北は狛江市東野川、東は成城、南東は大蔵・宇奈根、南は多摩川を挟んで川崎市多摩区、西は狛江市と隣接しています。町内北部には小田急小田原線が走り、九丁目に喜多見駅があります。

主要な河川として多摩川と野川が流れ、豊かな自然環境を形成しています。ただし、地形的に水はけが悪い場所もあり、集中豪雨時には内水氾濫による浸水被害が発生することもあります。

2018年の公示地価によると、住宅地の地価は喜多見9-19-6の地点で36万7000円/m2となっています。

歴史

中世には、江戸氏が本拠地を構えたとされ、江戸時代には短期間ながら喜多見藩が置かれました。1927年には喜多見駅が開業し、1967年には砧農協が園芸センターを開園するなど、都市近郊の農村地域として発展してきました。

地名の由来は定かではありませんが、1300年代初期には「木田見」という表記が見られ、16世紀後半頃には「木多見」「喜多見」「北見」といった表記が現れています。この地域からは古代集落の遺跡が発見されており、古くから人が居住していたことがわかります。

交通

喜多見地区には小田急小田原線の喜多見駅があり、新宿方面へのアクセスに便利です。また、路線バスも充実しており、渋谷、二子玉川、調布、狛江など、様々な方面へ向かうことができます。特に、東急バスは、二子玉川駅への直通系統が廃止されたものの、オンデマンドバスが運行されており、地域住民の足として活用されています。

主要道路としては、世田谷通り、多摩堤通り、荒玉水道道路、水道道路（狛江-宇奈根）などがあります。多摩川や野川沿いには遊歩道が整備され、散策やサイクリングを楽しむことができます。

施設

喜多見には、喜多見まちづくりセンター、喜多見図書室などの公共施設のほか、喜多見小学校、喜多見中学校、国本学園などの教育機関があります。また、喜多見公園、喜多見農業公園、次大夫堀公園など、緑豊かな公園も点在しています。

宗教施設としては、稲荷神社、白山神社、喜多見氷川神社、慶元寺、知行院などがあります。また、カトリック礼拝会喜多見修道院やカトリック喜多見教会も存在しましたが、教会はカトリック成城教会と統合されました。

その他

喜多見は、全域が成城警察署および成城消防署の管轄下にあります。郵便については、成城郵便局が集配を担当し、喜多見駅前郵便局や世田谷喜多見三郵便局などの小規模局があります。

地域のお祭りとしては、喜多見地区区民祭り、喜多見氷川神社祭り、喜多見盆踊り大会などが開催され、地域住民の交流の場となっています。

ゆかりの人物

元プロレスラーの川田利明さんが、喜多見でラーメン店「麺ジャラスK」を経営しています。また、元NHK職員で元国会議員の小宮山洋子さんも、喜多見に居住歴があります。

喜多見は、都心へのアクセスも良く、自然にも恵まれた住みやすい街として、多くの人々に愛されています。

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