嘉村達次郎

嘉村達次郎について

嘉村達次郎（かむら たつじろう）は、1879年（明治12年）11月6日に佐賀県佐賀郡東与賀町（現在の佐賀市東与賀町）で生まれ、1963年（昭和38年）2月20日に83歳で亡くなった、明治・大正・昭和初期にかけての日本の軍人です。最終階級は陸軍少将。

生い立ちと軍人への道

嘉村達次郎は、父・卯七、母・トメの長男として、東与賀村下飯盛で生を受けました。地元の私塾「興文塾」で学んだ後、軍人を志し、陸軍士官学校へ進学（13期）しました。1902年（明治35年）に歩兵少尉に任官し、歩兵第24連隊に配属されたことから、彼の軍人としてのキャリアが始まりました。

軍歴

嘉村はその後、熊本陸軍幼年学校生徒監（大尉）、仙台陸軍幼年学校長（中佐）を歴任し、金沢連隊区司令官、歩兵第42連隊長（大佐）と着実に昇進を重ねました。1930年（昭和5年）8月には少将に昇進し、朝鮮軍第20師団所属の歩兵第39旅団長に就任しました。

柳条湖事件と嘉村の役割

1931年（昭和6年）に柳条湖事件が発生すると、当時の朝鮮軍司令官であった林銑十郎は、天皇の許可を得ることなく独断で国境を越えて出兵を指示しました。この際、第20師団から抽出された混成第39旅団がその任にあたり、嘉村がこの部隊の指揮を執ることになりました。嘉村は部隊を率いて打虎山から溝幇子に進軍し、多門二郎中将率いる第2師団と合流しました。

予備役編入と晩年

1933年（昭和8年）12月、嘉村は予備役に編入されました。その後、佐賀市に新居を構え、余生を過ごしました。1947年（昭和22年）11月28日には、公職追放の仮指定を受けています。1963年（昭和38年）に胃病により83歳で生涯を閉じました。

栄典

嘉村は、その軍事における功績から、1940年（昭和15年）8月15日に紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。

まとめ

嘉村達次郎は、明治から昭和にかけての激動の時代を軍人として生きた人物であり、その生涯は日本の近代史を語る上で重要な要素となっています。彼の軍人としてのキャリアは、陸軍士官学校卒業から始まり、数々の要職を歴任した後、柳条湖事件という歴史的な出来事にも深く関与しました。晩年は静かに佐賀で過ごし、83歳でその生涯を閉じました。

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