四ツ車大八 (1980年生)

四ツ車 大八（よつぐるま だいはち）

岩手県花巻市に生まれた、伊勢ノ海部屋に所属した元大相撲力士。本名は山影 誠（やまかげ まこと）。1980年7月24日生。身長184cm、体重154kgという体格で、特に右四つからの寄りや投げを得意とした。最高位は2008年11月場所で記録した西十両8枚目である。

略歴

地元の中学校を卒業後、大相撲の世界へ進むことを決め、伊勢ノ海部屋へ入門。1996年3月場所で初めて土俵に上がった。当初は本名の山影 誠として相撲を取っていたが、1997年7月場所からは「四ツ車 大八」という四股名に改めた。

着実に番付を上げ、2000年5月場所では三段目で全勝を果たし優勝決定戦に進出したが、惜しくも優勝は逃した。

幕下で長く相撲を取り続け、関取目前の地位で活躍。2008年7月場所では、十両昇進がかかる大事な場所で初日から6連勝と勢いを見せたが、終盤に敗戦を喫し、優勝決定戦に回ったものの初戦敗退となり、この場所での昇進はならなかった。

しかし、奮起した翌9月場所では、西幕下13枚目という地位ながら見事な相撲で7戦全勝を達成。幕下優勝を果たした。この功績が認められ、場所後の番付編成会議で念願の十両昇進が決定。新十両として迎える場所を前に、後援会関係者への報告会では「気を緩めずに、より一層稽古に励む」と決意を新たに語った。

自己最高位となる西十両8枚目で迎えた2008年11月場所は、残念ながら勝ち越しは果たせなかった。続く場所も波に乗れず、2009年3月場所では3場所連続の負け越しとなり、幕下へ陥落。その後も番付を下げ、2012年9月場所には三段目まで下がった。

2013年5月場所では4勝3敗と勝ち越しを決めたが、この場所を最後に現役からの引退を表明した。相撲人生の晩年には股関節の痛みに悩まされていた時期もあったという。

エピソード

四ツ車の幼少期は、両親の離婚や母親の仕事の都合もあり、祖母の手で育てられた。相撲界に入った後、母と祖母は相次いで他界。関取昇進を決めた2008年9月場所後に故郷へ帰省した際には、二人の墓前に関取となる報告を行ったという。

「四ツ車大八」という四股名は、伊勢ノ海部屋に江戸時代から伝わる由緒ある名跡の一つであり、町火消と大乱闘を繰り広げた同名の力士の話は「め組の喧嘩」として歌舞伎の演目にもなるほど有名である。

主な成績

通算成績: 370勝368敗（勝率.501）
現役在位: 103場所
十両成績: 16勝29敗（勝率.356）
十両在位: 3場所
* 各段優勝: 幕下優勝1回（2008年9月場所）

引退後

角界を去った後、四ツ車は東京都五反田にあるステーキ店「ミート矢澤」に勤務していることが報じられた。2017年1月には、伊勢ノ海部屋の公式Facebookにて、春から同店の名古屋店の副店長に就任予定であると記されている。

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