四万十川ウルトラマラソン

四万十川ウルトラマラソン

四万十川ウルトラマラソンは、高知県を流れる雄大な四万十川の流域を舞台に、毎年10月中旬から下旬にかけての日曜日に開催される長距離走イベントです。この大会は、一般的なフルマラソン（42.195km）をはるかに超える距離を走るウルトラマラソンの形式を取り、ランナーに壮大な自然の中での挑戦を提供しています。2023年には第29回目の開催を迎えるなど、長い歴史と伝統を持つ大会として知られています。

大会の概要

本大会では、主に二つの競技種目が設けられています。一つは100kmの部、そしてもう一つは60kmの部です。どちらもウルトラマラソンに分類される過酷な種目であり、参加者には持久力だけでなく、精神的な強さも求められます。

コースは、高知県四万十市と高岡郡四万十町にまたがる広範囲に設定されています。四万十川の美しい流れに沿って進むこのコースは、豊かな自然景観を楽しむことができるのが最大の魅力です。特に、四万十川の象徴ともいえる沈下橋を実際に通過する区間は、ランナーにとって忘れられない体験となります。

この大会のもう一つの重要な側面は、清流・四万十川の保全への貢献です。参加者が支払う費用の一部は、四万十川の美しい環境を守るための活動に充てられています。これは、ランナーが単に走るだけでなく、地域社会と自然保護に貢献できる機会を提供していることを意味します。

参加状況と競技詳細

2023年の大会では、日本全国46の都道府県から応募があり、100kmと60kmの両種目を合わせて合計1963名の申し込みがありました。実際に大会に参加したランナーは合計で1530名でした。

各競技種目の参加者数と完走状況（2023年時点）は以下の通りです。

100kmの部: 定員は1600名に設定されていましたが、最終的に1073名のランナーが完走を果たしました。
60kmの部: 定員は500名でしたが、このうち457名がフィニッシュラインに到達しました。

競技には制限時間が設けられており、時間内にコースを完走する必要があります。例えば、過去の第18回大会では以下の制限時間が適用されていました。

100kmの部: 制限時間は14時間でした。なお、この大会の男子1位の記録は6時間52分28秒でした。
60kmの部: 制限時間は9時間30分でした。

また、コース上には複数の「関門」が設置されています。各関門には通過指定時刻があり、その時刻までに到達できないランナーは、残念ながら競技を続けることができず、棄権となります。これは、ランナーの安全確保や大会運営の円滑化のために重要なルールです。

大会を支える人々・組織

四万十川ウルトラマラソンは、多くの団体や地域住民の協力によって支えられています。大会の主催は、幡多地区陸上競技協会、四万十町、そして四万十市が共同で行っています。さらに、高知県や国土交通省の関連機関、地元の教育委員会、様々な企業などが後援や協賛、協力という形で大会の成功に貢献しています。

2023年の大会では、ランナーの利便性を高める特別な取り組みも行われました。土佐くろしお鉄道は、10月15日に大会参加者向けの臨時列車を運行し、宿毛駅から中村駅までの片道運賃を無料とするサービスを提供しました。

四万十川ウルトラマラソンは、その挑戦的な距離、息をのむような自然景観、そして地域社会との連携によって、国内外の多くのランナーを魅了し続けています。清流を守りながら、ランナーが自身の限界に挑む場として、今後もその歴史を刻んでいくことでしょう。

主催

幡多地区陸上競技協会
四万十町
四万十市

後援

NPO法人高知陸上競技協会
高知県
高知県教育委員会
国土交通省四国地方整備局中村河川国道事務所
四万十市教育委員会
四万十町教育委員会

協賛

幡多信用金庫
四国銀行
高知銀行
四国電力

協力

陸上自衛隊高知駐屯地
四万十市区長会
十和地区区長会連絡協議会
中村商工会議所
四万十町商工会

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