四十九所神社

四十九所神社

四十九所神社は、鹿児島県肝属郡肝付町新富に位置する神社です。この神社は、天照皇大神、豊宇気毘売大神、その他四柱の神々を祀っており、地元の人々から厚く信仰されています。

歴史

神社の創建は永観2年（984年）に遡ります。肝付氏の祖である伴兼行が薩摩国惣追捕使に任命され、この地に下向した際、伊勢神宮内宮外宮から神々を勧請したのが始まりとされています。その後、この地を鎮座地として神社が創建され、肝付氏の守護神、そして大隅一円の宗社として崇敬を集めてきました。

四十九所神社の名前の由来は、祀られている祭神の総数にあります。天神七代、地神五代、五部之神、そしてその他の三十二柱、合計四十九柱の神々を祀っていることから、この名が付けられました。

神社境内には、正面の鳥居をくぐり階段を上がると社殿、右手には手水舎、左手には社務所があります。その他、絵馬掛けや祠、御神木なども見られます。普段は宮司は常駐していません。

2021年5月には、拝殿が再建され、新たな姿となりました。

高山流鏑馬

四十九所神社で毎年秋に行われる高山流鏑馬は、県内でも特に有名な祭りの一つです。この祭りは、中学生が馬に乗り、弓矢で的を射るという勇壮な姿が特徴です。

歴史と特徴

流鏑馬の歴史は古く、肝付氏がこの地に定住を始めた約100年後から始まったとされ、約900年の歴史があります。流鏑馬が行われる参道（宮之馬場）は、この神事のために道路の右半分が舗装されずに残されています。

射手の選出と準備

かつては麓集落の青年団から射手が選ばれていましたが、後に14歳くらいの男子から選出されるようになりました。現在は、地元の中学2年生の男子生徒が射手に選ばれ、9月から旧国鉄大隅線跡地や神社前の宮之馬場などで練習を重ねます。

流鏑馬奉納祭の2日前には、柏原海岸で馬と射手が「汐がけ」と呼ばれる禊ぎを行います。また、射手は祭当日まで、注連縄が張られたコミュニティセンターの一室で寝泊まりをする「宮篭り」を行います。汐がけの際、射手の父親は柏原海岸の砂を採り、祭当日に宮之馬場鳥居前広場で撒き、子の安全を祈ります。

奉納祭の流れ

奉納祭では、まず射手が330mほどの宮之馬場を歩いて往復します。次に、弓だけを持って馬場を駆け抜ける「空走り」を行います。そして、いよいよ弓に矢をつがえ、馬に乗りながら沿道に掲げられた3枚の的を射抜きます。この一連の流れを3回繰り返します。

前年の射手は、馬には乗らず疾走する馬を追走し、不測の事態に備えます。多くの的に命中することが良いとされますが、9枚全てに命中させることはありません。それは、来年さらに上を目指すという想いが込められています。

射抜かれた的は魔除けとして縁起物とされ、特に真中に命中した矢は「篭り矢」と呼ばれ、神前に供えられます。篭り矢の判断は、的を支える竹に当たったかどうかで判断されます。

文化財指定とメディアでの紹介

高山流鏑馬は、昭和56年（1981年）3月27日に県の無形民俗文化財に指定されています。また、平成18年（2006年）からは地元のコミュニティFM局が祭りの生中継を行い、南日本放送（MBCテレビ）によるドキュメンタリー番組も毎年放送されています。近年では、インターネットでの生配信も行われ、多くの人々に親しまれています。

主な年中行事

• - 毎月19日: 月次祭
• - 2月19日: 新年祭
• - 10月18日: 内祭
• - 10月19日: 例大祭
• - 10月第3日曜日: 流鏑馬奉納祭

これらの行事は、現在一般的に使われている新暦による日程で行われています。

脚注

注釈

出典

外部リンク

• - 鹿児島県肝付町Webサイト「四十九所神社の流鏑馬」 (公式)
• - 肝付町観光協会Webサイト「高山やぶさめ祭り」 (公式)

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