四国国分

四国国分の概要

四国国分（しこくくにわけ）とは、豊臣秀吉が1585年に四国地方を制圧した後、同年8月に実施された、各地の大名や領主への領土配分を指します。これは、秀吉の名のもと、豊臣政権が新たに形成される領土の支配を示した重要な施策でした。

四国の平定

四国平定は、秀吉が従来の中国地方の毛利氏との境界問題を解決し、毛利氏の協力を得たことから始まりました。この過程で、紀伊の根来・雑賀一揆を鎮圧した後、秀吉は弟の羽柴秀長に紀伊と和泉を与え、四国に軍勢を派遣しました。1565年には長宗我部元親が四国全土を制圧し、秀吉は元親を服属させ、結果として四国国分が決定されたのです。その後、秀吉は北陸への出征により、広大な領域を掌握しました。

国分の実施内容

豊臣政権の一環として、長宗我部元親には土佐一国が安堵され、ほかの大名にも領地が配分されました。具体的に、秀吉は阿波国の大部分を蜂須賀家政に、讃岐国の大部分を仙石秀久に、それぞれ与えました。また、伊予国については毛利氏の領有を考慮し、小早川隆景や安国寺恵瓊などが家臣として封じられました。淡路国には脇坂安治や加藤嘉明が任命されたことも忘れてはなりません。

各国の状況

土佐

長宗我部元親には、合戦ごとに兵を3,000人率いて参戦することが求められるなどの和睦条件が課せられ、その後も朝廷との関係を持ち続けました。

阿波

阿波国では蜂須賀家政が国分後に受け持つことになり、入部直後は土豪一揆も発生しましたが、家政は巧みに対応しました。

讃岐

秀久に与えられた讃岐国は、その後、九州征伐中に大名交代が起こり、他の大名に領地が配分されることもありました。

伊予

豊臣政権によって小早川隆景に与えられた伊予国は、この後、隆景が他の地域に転封され、土着の勢力が排除される過程も見られました。

四国国分の影響

四国国分は、豊臣政権が地域の勢力を統括していく上での重要な基盤となりました。これにより、旧勢力は没落し、新たな支配体制が確立されることとなります。また、各所で実施された検地や近世城郭の築城は、地域の経済的な基盤の形成にも寄与しました。

その後の進展

四国国分により、長宗我部氏は豊臣政権に組み込まれましたが、元親はこの後も各種の軍役に従事しつつ、地域の支配体制の再編に取り組みました。

関ヶ原の戦いとの関連

関ヶ原の戦いでは、四国国分が西軍の行動にも影響を及ぼし、長宗我部氏や豊臣政権下の大名の配置がその後の戦局に関与しました。

結論

四国国分は、豊臣政権における戦後処理の一つであり、フィルターとなってその後の日本の歴史に大きな影響を与えました。新たに配分された領地を通じて、豊臣政権の力はさらに増し、政権の強固な基盤を築くことに寄与したのです。

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