四方哲也

四方 哲也（よも てつや）氏は、1963年に京都府で生まれた日本の工学者、生物学者です。特に構成的生物学の分野における先駆的な研究で知られています。

経歴と学歴

四方氏は大阪大学工学部を卒業後、1991年に同大学院醗酵工学専攻の博士課程を修了し、工学博士号を取得しました。大阪大学では、工学部の応用生物工学科にて助手、講師、准教授を経て教授に昇進しました。その後、大阪大学大学院情報科学研究科および生命機能研究科の教授を兼任しましたが、2016年にその職を離れています。また、科学技術振興機構（JST）の戦略的創造研究推進事業（CREST）における「四方動的微小反応場」研究領域の研究総括を2009年から2014年まで務めました。現在は、華東師範大学生物与信息科学研究所の所長および同大学の教授を務めています。

研究業績と受賞

構成的生物学の分野で顕著な業績を上げており、その功績に対して複数の賞を受賞しています。1995年には日本生物工学会から第32回生物工学奨励賞を授与されました。また、共著者として、2002年には学術誌「Journal of Molecular Evolution」の第1回Zuckerkandl Prize、2005年には第1回BIOPHYSICS論文賞を受賞しています。

学会活動

四方氏は国内外の様々な学会活動に積極的に参加しています。日本進化学会の評議員や会計監査を務めたほか、「細胞を創る」研究会の発起人の一人として平成20年度には同会の会長を務めました。また、日本生物物理学会の代議員や、国際的な学術誌「ACS Synthetic Biology」の編集諮問委員も担当しました。

研究費不正使用問題

2015年12月、大阪大学は、四方氏、卜部格氏（元教授）、および元助手による研究費の不正使用に関する調査結果を報告しました。JSTは同月、四方氏が研究総括を務めたCREST事業において、四方氏の指示に基づき、合計約9300万円に及ぶ研究費が、架空請求による預け金といった形で不正に処理されていたと認定しました。四方氏自身は不正な指示を否定し、当時の教授と相談の上で研究費を使用していたと釈明しました。この問題を受けて、大阪大学は調査を行い、架空請求による預け金処理が四方氏あるいは卜部氏の指示により行われていた事実を確認しました。これにより、大阪大学は2016年に四方氏を懲戒解雇処分としました。

私生活と著作

私生活に関するエピソードとして、中学2年生の時にラボ・パーティのプログラムを通じて米国カンザス州でのホームステイを経験しています。

主な著書に、単著として『眠れる遺伝子進化論』（講談社、1997年）があります。また、『現代生物科学入門 9 合成生物学』（岩波書店、2010年）、『1/4の奇跡 「強者」を救う「弱者」の話』（マキノ出版、2010年）など、複数の共著書も出版しています。

これらの経歴は、華東師範大学や、かつて所属した大阪大学の情報科学研究科のアーカイブ、科学研究費助成事業データベース（KAKEN）、研究者情報データベース（researchmap）などの外部情報源でも確認することができます。

（注：この文章は公開されている情報に基づいて作成されています。）

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