ラボ・パーティ

ラボ・パーティ：独自の教育メソッドで子どもたちの成長を促す団体

ラボ・パーティは、株式会社ラボ教育センターが運営する、全国規模の外国語教育社会団体です。通称「ラボ」または「LABO」と呼ばれ、数万人の会員を擁しています。幼児から大学生までの子供たちが「ラボっ子」として、そして成人指導者が「テューター」として、独自の教育プログラムに参加しています。

組織構造と会員

ラボ・パーティは、全国に広がる支部と、さらに細かく分かれた地区で構成されています。各地区では、テューターの自宅や地域施設を拠点として、少人数のラボっ子たちが集まって活動しています。それぞれのグループは「○○パーティ」（○○はテューターの氏名）と呼ばれ、きめ細やかな指導体制が特徴です。

ラボっ子は年齢層が広く、プレイルーム（0歳児）から大学生までが活動に参加。パーティ活動の中心的役割を担ったり、地区や支部レベルのイベントでリーダーシップを発揮するなど、年齢や役割に合わせた活動が用意されています。高校生は支部の合宿や発表会の実行委員、キャンプのシニアメイトとして活躍し、大学生は支部活動、キャンプでのコーチ、カレッジリーダー、表現活動などに携わります。

テューターは、語学教育能力を備えた成人指導者で、主に家庭を持つ女性が中心です。20代から70代まで幅広い年齢層が活動しており、月に一度から数ヶ月に一度、テューター研修に参加してスキルアップを図っています。キャンプでは「ロッジマザー」としてラボっ子の安全管理やサポートにあたり、ホームステイの同行や連絡調整を行う「シャペロン」もいます。

教育プログラム

ラボ・パーティの教育プログラムは、日本語を尊重しつつ英語を用いたコミュニケーション教育と異文化交流を重視しています。英語習得が目的ではなく、世界の話、文学、詩、歌などを通して、年齢や国籍を超えた交流を促進します。

ラボ・ライブラリーと呼ばれる、CDとテキストで構成された教材が使用されます。ラジオドラマのような形式で物語が展開され、英語と日本語が交互に話されるため、自然な形で英語に親しむことができます。

ラボ・パーティでは、テューターが一方的に指導するのではなく、ラボっ子の自主性を尊重した活動が展開されます。ラボっ子自身で活動の企画・運営を行うことも多く、その過程で主体性や問題解決能力を養います。

テーマ活動

テーマ活動は、ラボっ子たちがグループを組み、協力して劇を作り上げる活動です。幼児から大学生まで、年齢の異なるラボっ子たちが混ざって活動することも多く、年齢を超えた交流が促進されます。

発表会を目標に、物語の理解から演出、配役までをラボっ子たち自身で話し合って決めていきます。監督や演出家は存在せず、身体表現を重視した独自の劇が特徴です。道具や衣装を使わず、身体だけで動物、妖精、自然、感情などすべてを表現する、いわば「人体交響劇」です。

キャンプ活動

春、夏、冬休み期間には、全国のラボっ子が集まるキャンプが開催されます。黒姫にあるラボランドを始め、各地の旅館やペンションなどを利用し、3泊4日のプログラムが組まれています。

テントではなくロッジに宿泊し、テーマ活動、ソングバード、野外活動などを通して、仲間との絆を深めます。高校生以上のラボっ子は、シニアメイトとしてリーダーシップを発揮する機会も得られます。大学生は大学生コーチとして、キャンプ全体の運営にも関わる重要な役割を担います。

国際交流

ラボ・パーティでは、海外ホームステイプログラムも実施されています。北米への1年間の留学（高校生以上）や、夏期にはニュージーランド、韓国、カナダ、アメリカ、春期には中国への短期ホームステイなどがあります。ホームステイ参加者には、事前・事後活動への参加が義務付けられ、国際交流を深めるための体制が整えられています。また、諸外国からのホームステイ受け入れも行っています。

オレゴン国際キャンプは、アメリカオレゴン州での自然体験キャンプで、ホームステイとは別に開催されます。

ラボランド黒姫

長野県黒姫高原にあるラボランド黒姫は、3万坪の広大なキャンプ施設です。24棟の宿泊ロッジ、本部棟、厨房棟、集会棟など、充実した設備が整っています。キャンプ期間以外は、貸別荘として一般にも開放されています。

教材とソングバード

ラボ・ライブラリーは、テーマ活動やソングバードで使われる音源を収録したCDとテキストのセットです。著名なナレーターや音楽家、芸術家らが参加した、高品質な教材です。

ソングバードは、英語圏の童謡やわらべ歌を英語で収録した教材で、音楽に合わせて踊ったりして楽しみます。英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語の童謡なども収録されています。

歴史と分裂

ラボ・パーティは1966年に発足し、1980年に理念や方針の対立から三団体に分裂しました。創業者である榊原陽氏はヒッポファミリークラブを、谷川雁氏はものがたり文化の会をそれぞれ設立し、ラボ・パーティとは異なる活動を展開しています。現在、これら三団体の間には活動の連携はありません。

関連人物

ラボ・パーティの活動には、多くの著名人が関わってきました。創設者である榊原陽氏、教育に携わった谷川雁氏、C・W・ニコル氏、牟岐礼氏、鈴木孝夫氏、斎藤惇夫氏をはじめ、教育学者、児童文学者、音楽家などが活動に関わっています。

まとめ

ラボ・パーティは、独自の教育メソッドと充実したプログラムで、子どもたちの成長を多角的にサポートする団体です。英語をツールとした異文化交流、主体性を育む活動、そして全国規模のネットワークを通じて、子どもたちの可能性を広げています。

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