四暗刻

四暗刻（スーアンコウ）

四暗刻とは、麻雀における役満の一つであり、4つの暗刻を揃えて和了（あがり）した際に成立する役です。この役は門前役であり、鳴き（チー・ポン・カン）を一切行わずに和了する必要があります。また、暗槓（アンカン）を含んでいても四暗刻は成立します。

概要

四暗刻は、役満の中でも比較的出現しやすい役の一つと言われています。その理由として、牌の種類が限定されないことが挙げられます。他の役満、例えば大三元（ダイサンゲン）は三種類の字牌（白・發・中）を全て刻子（コーツ）にする必要があり、国士無双（コクシムソウ）は特定の牌を揃える必要がありますが、四暗刻はどの牌でも暗刻を4つ作れば成立します。

ただし、四暗刻は4面子全てを暗刻にする必要があり、その点が対々和（トイトイホー）とは異なります。対々和は明刻（ミンコウ：鳴いて作った刻子）を含んでいても成立しますが、四暗刻は必ず門前でなければなりません。また、四暗刻は、他の役満と複合する可能性も秘めていますが、難易度が高いため、複合することは極めて稀です。

和了の方法

四暗刻の和了り方は、以下の2種類に限定されます。

1. シャンポン待ちでのツモ和了
2. 単騎待ちでの和了

シャンポン待ちの場合、ロン（他家の捨て牌で和了すること）をすると、和了牌の刻子が明刻となってしまい、四暗刻は成立しません。この場合は、三暗刻（サンアンコウ）と対々和という複合役となり、満貫（マンガン）となります。したがって、シャンポン待ちで聴牌（テンパイ）した場合、必ずツモ和了を目指す必要があります。

単騎待ちの場合は、手牌に既に4つの暗刻が完成しているため、ツモ・ロンどちらでも四暗刻が成立します。

また、ローカルルールとして、単騎待ちの四暗刻を「四暗刻単騎（スーアンコウタンキ）」としてダブル役満とするルールもありますが、現在のプロ団体や一般的なフリー雀荘では採用されていないことが多いです。

牌姿の例

シャンポン待ちの場合

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３３３４４４５５５🀇🀇 🀈🀉


この形は、🀈または🀉待ちのシャンポン待ちです。🀈をツモれば四暗刻となりますが、🀈でロン和了した場合は、対々和・三暗刻となり満貫となります。

注意を要するシャンポン待ち

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３３３４４４５５５🀇🀇 🀈🀈


この形は、🀈をツモれば四暗刻になりますが、🀇待ちにもなっています。この状態でリーチをかけると、🀇を暗槓できなくなります。もし🀇を暗槓した場合、🀈をツモっても、🀈でロンしてもチョンボ（反則行為）となってしまいます。

単騎待ちの場合

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３３３４４４５５５🀇🀇🀇 🀊


この形は、🀊待ちの単騎待ちです。🀊をツモ・ロンどちらで和了しても四暗刻が成立します。

注意を要する単騎待ち

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３３３４４４５５５🀇🀇🀇 🀈


このケースのように、🀈または🀊待ちの場合、🀈であがると四暗刻となりますが、🀊では三暗刻のみとなります。特にフリテン（自分の捨て牌にある牌で和了すること）に注意が必要です。四暗刻でしかあがるつもりがなければ、🀈単騎に受け変えるのが良いでしょう。

特記事項

漫画『じゃりン子チエ』には、登場人物のカルメラ兄弟が「香港では（四暗刻は）役がつかない」と語るシーンがありますが、現在では香港式ルールでも四暗刻は役として認められています。

四暗刻は、その成立の難易度と華やかさから、麻雀を代表する役満の一つと言えるでしょう。

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