三暗刻

三暗刻（サンアンコウ）

三暗刻とは、麻雀における役の一つであり、2翻の役です。門前で暗刻（アンコウ：同じ牌3枚を組み合わせたもの）を3つ作って和了（ホーラ）した場合に成立します。暗槓（アンカン）を3つ含んでいても三暗刻となります。

概要

三暗刻は、暗刻が3つあることのみが条件です。そのため、残りの1面子は順子（シュンツ：同じ種類の数牌3枚で連番の組み合わせ）でも構いませんし、副露（フーロ：鳴き）しても成立します。食い下がり（クイサガリ）はなく、常に2翻となります。

出アガリ（他者の捨て牌でロンあがりすること）の場合、対々和（トイトイホー：刻子を4つ作って和了する役）との複合がよく見られます。また、立直（リーチ）をかけてツモ和了した場合、リーチ・ツモ・三暗刻となるケースも多いです（いわゆる「ツモり三暗刻」）。

他の2翻役と比較して難易度が高く、成立したとしても、門前（メンゼン：鳴きなし）の場合は役満である四暗刻（スーアンコウ）への移行を狙う場合もあります。そのため、翻数の割には出現頻度が低い役と言えます。ちなみに、三暗刻が成立した場合、符計算（フケイサン）は最低でも40符以上が確定します。

牌姿の例

以下に、三暗刻の牌姿の例をいくつか紹介します。

（例1）確定三暗刻の単騎待ち

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3m 3m 3m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 南南

4面子が完成している手です。この後、南を引けばノベタン待ち、5mを引けば両面待ちへ移行します。両面待ちへ移行した場合は、さらにシャンポン待ちでのツモ四暗刻、もしくは四暗刻を確定させての（アガリを放棄して）単騎待ちも狙えます。

（例2）一手変わりで四暗刻になる両面待ち

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1m 1m 1m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 2z 3z

暗刻を3つ作りさえすれば、残り1面子は順子でも構いません。この牌姿は待ちの出来合い三暗刻ですが、巡目（ジュンメ）が早い・点棒状況に条件があるなどの場合、役満である四暗刻への手変わりを見込んで、三暗刻のみでの和了を見送るケースも少なくありません。この場合、1zを引けばツモ四暗刻の聴牌（テンパイ）に、4zを引けば四暗刻単騎待ちの聴牌になります。

（例3）ツモり四暗刻のシャンポン待ち

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1m 1m 1m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 2z 2z 4z

2zと4zのシャンポン待ちです。ツモ和了なら四暗刻ですが、ロン和了の場合は4つめの刻子が明刻（ミンコウ：他家の捨て牌を貰って作った刻子）扱いとなるため、三暗刻・対々和となります。門前で三暗刻と対々和が複合するのはこのパターンのみです。

（例4）ツモり三暗刻のシャンポン待ち

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1m 1m 1m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 2z 4z

これはいわゆる「ツモり三暗刻」という牌姿で、2zか4zのどちらかを自力でツモってこないと三暗刻が成立しません。ロン和了の場合は3つ目の刻子が明刻扱いとなるため、三暗刻にならないからです。この牌姿では、立直や河底（ホーテイ）が付かない状況でのロン和了では役がないためチョンボ（反則行為）となります。

（例5）注意を要する単騎待ち

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1m 1m 1m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 2z 2z 2z

この場合、4zならロン・ツモ問わず三暗刻が成立しますが、2zでのロン和了は(リーチをしていなければ)役がないためチョンボとなります。特に同巡内フリテンには注意すべきであり、黙聴（ダマテン）では和了できないが出てしまった巡目では、2zが出て来ても和了出来ません。三暗刻を確定させるなら、確定できる単騎待ちか筒子の両面・ノベタン待ちに変えておく方が無難です。

（例6）暗槓による面子の確定

一つ上の例の状態で2zをツモった場合、暗槓すればその部分の面子が確定し、三暗刻が確定したうえでの単騎待ちとなります。ただし、暗槓によって待ちが変化するため、リーチをかけている時にこの暗槓を行った場合は、2zで和了しても流局してもチョンボとなることに注意が必要です。もちろん明槓では筒子の順子部分を暗刻に変えない限り三暗刻は成立しません。

（例7）仮り聴の三暗刻

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1m 1m 1m 5p 5p 5p 7s 7s 7s 8s 9s

今のところ8s待ちの嵌張待ちの三暗刻ですが、四暗刻や四槓子への手変わりが見込める牌姿です。ここから8sをツモれば、7sと8sを連続で暗槓して四暗刻単騎への移行が可能です。その状態からさらに9sを槓できれば四槓子になります。ただしその場合、7sを暗槓すれば四暗刻単騎と四槓子が複合するのに対し、7sの大明槓（ダイミンカン）の場合は四暗刻単騎が消滅し四槓子のみとなります（特に四暗刻単騎をダブル役満とし四槓子をシングル役満とするルールでは役満分の損となってしまいます）。

三暗刻